二家本辰己

二家本辰己について

二家本辰己（にかもと たつみ、1953年3月6日生まれ）は、日本の著名な殺陣師、俳優、スタントマン、スーツアクターとして知られています。山口県周南市の出身で、役者集団アーバンアクターズの代表を務めています。彼の名前は別名である二家本辰巳でも知られていますが、いずれの名でも彼の情熱と才能を指します。

経歴

二家本は中学を卒業後、徳山技能専門校でブロック建築を学んでいましたが、アクションスターを志し、1971年に上京してジャパンアクションクラブ（現・ジャパンアクションエンタープライズ）に入門しました。彼は特にアクションが注目されたしょうが、初期は端役や斬られ役としての出演が多かったものの、『ウルトラマンレオ』でのスーツアクターとしての演技が評価され、華麗なアクションで多くのファンを魅了しました。

その後、松田優作との接点から殺陣師やアクション監督としてのキャリアが開かれ、1989年にはアーバンアクターズを設立。この団体はアクション映画やドラマで高い評価を受け、北野武の作品、特に『座頭市』などでは全ての殺陣・アクションを担当し、その実力が認められました。北野から「日本一忙しい殺陣師」と表彰されたこともあり、彼の存在は業界内での地位を確固たるものにしました。

2012年には、技術スタッフ賞を受賞し、その日の授賞式では、ジャパンアクションクラブ時代の友人とのコラボレーションも行い、観客にアクションの実演を披露しました。2022年には、トークイベントに登壇して自らのキャリアや秘話を語り、2023年にはYouTubeチャンネル「二家本辰己official YouTube」を開設し、アクションや特撮の情報発信をおこなっています。

逸話

二家本が殺陣師としての道を歩むきっかけは、松田優作の言葉でした。彼は松田から「いい殺陣師になれる」と評価され、これが転機となり、以降は松田の演技スタイルからも影響を受けて成長してきました。また、JAC時代には自動二輪の購入資金がない理由を松田に話すことで親しくなり、その後の作品にも呼ばれるようになりました。

『月光仮面』の撮影では、彼が実際にヘリコプターからの飛び降りに挑むシーンがありましたが、高所への恐怖心から、着地の際には体調に影響を及ぼしたとも言われています。さらに、複数の作品で彼はアクションをこなしながらも、身体的な困難に直面し続けました。

ウルトラマンレオでの経験

特に『ウルトラマンレオ』では、彼の高い身体能力と柔道、空手などの技術が光を放ち、スーツアクターとしての地位を確立しました。当初、レギュラーとして予定されていなかった彼が、スタッフの満足度向上のために交代する形でレオを演じることになり、ウェットスーツを着用しながら特異なアクションに取り組むこととなりました。

また、舞台裏では、撮影スタイルが変わっていく様子や、特にスーツアクターに厳しいスケジュールや環境での苦労もあったようです。例えば、水中戦のシーンでは、マスクの水漏れ対策が不十分で呼吸困難に陥った経験も語られています。しかしその中で新たな技術を身につけ、自らを進化させ続けてきました。

出演作品

二家本辰己の出演作には映画やテレビドラマが数多くあり、『ウルトラマンレオ』や『探偵物語』などでの名演技が特に知られています。彼のアクションは多くの作品で高く評価され、今なお日本のアクション界に多大な影響を与え続けています。アーバンアクターズの設立以降、彼は新たな世代の育成にも力を入れ、アクションの未来にも貢献しています。

現在の日本の映画業界において、二家本辰己の存在は重要であり、彼の技術と情熱は多くのアクション作品に生き続けています。

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