二期作

二期作とは

二期作とは、同一の耕地で、年に2回同じ作物を栽培し収穫する農法のことです。一般的には米の栽培について使われることが多い言葉ですが、トウモロコシ、ジャガイモ、ブドウなど、他の作物においても二期作という用語が用いられることがあります。

同じ土地で1年に2種類の異なる作物を栽培する農法は、二毛作と呼ばれ、二期作とは区別されます。

東南アジア地域では、浮稲を利用した米の二期作が古くから行われています。

日本における二期作

日本では、主に高知県、鹿児島県、沖縄県など、年間を通して平均気温が16℃以上となる温暖な太平洋側の地域で二期作が行われてきました。その目的は、台風の影響を避け、安定的な収穫量を確保することや、超早場米の収穫後、農地を有効活用することでした。

二期作を行う場合、第一期作は3月上旬から中旬に種籾を蒔き、7月中に収穫されます。その後、7月中旬から下旬にかけて第二期作の種籾を蒔き、11月上旬に収穫を迎えます。

しかし、近年では米の生産量が需要を上回るようになり、生産調整が行われている状況から、二期作はほとんど行われなくなっています。また、食味の良い米が消費者に求められるようになり、二期作に適した品種の選定が難しいという現状もあります。

緊急増殖プロジェクト

平成5年の大冷害が発生した際、岩手県では翌年の田植えに使用する種籾すら不足する事態となりました。この危機を打開するため、平成5年に収穫された稲を石垣島へ送り、発芽させた後、平成6年の一期作を2ヶ月前倒しして田植えを行い、5月に収穫された稲を岩手県で種籾として利用するという緊急増殖プロジェクトが実施されました。

イネ以外の二期作

米以外の作物では、九州地方で飼料用トウモロコシの二期作が行われています。また、関東南部でも導入が試みられています。

コメの再生二期作

近年注目されているのが、コメの再生二期作です。2020年には、農研機構九州沖縄農業研究センターが、コメの収穫後のひこばえ（稲孫）を利用して二期作を行い、10アールあたり1.5トンの収穫量を実現したと発表しました。これは試験レベルではあるものの、単純計算で従来の約3倍近い収穫量となり、地球温暖化による作付け期間の変化とも相まって、有力な栽培手法として注目されています。

この再生二期作の手法では、4月に田植えを行い、8月に最初の収穫を行います。この際、根元から40cmほど離して刈り取り、稲株に栄養分を残します。その後、追肥と水を張ることで、10月に2回目の収穫が可能となります。この手法は、関東地方以西の温暖な地域で特に有効とされています。

中国における二期作

中国南部稲作地域では、インディカ米を用いた二期作や数期作が行われている地域があります。華東地域、華中地域、西南地域などでは、インディカ米とジャポニカ米の二期作が行われています。特に伝統的な二期作が行われている地域は、浙江省、安徽省、湖南省、湖北省、福建省などが挙げられます。

脚注

関連項目

二毛作
連作

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