二枚目

二枚目（にまいめ）とは

「二枚目」という用語は、主に美男子を指し、特に歌舞伎の文脈で使われる言葉です。この言葉は江戸時代に発生し、歌舞伎の看板に由来しています。当時、歌舞伎の看板は通常8枚構成で、各枚に役者の名が記載されていました。最初の看板は「書き出し」として主役の名前が掲げられ、そこに続くのが二枚目であり、若い色男や優男の役者の名前が記されています。さらに三枚目には道化役が記されることになっており、このように役割分担が明確でした。

「二枚目」は優雅な立ち居振る舞いをする少年や青年を意味し、歌舞伎ではしばしば白塗りの化粧を施され、美しい容姿を強調されることが特徴です。そのため「二枚目」という言葉は、主に外見の美しさや優れた魅力を持つ男性を表す言葉として定着しました。江戸時代における女性の恋愛対象に対して「二枚目」は特別な存在であり、彼らの美男子像はその後の文化にも影響を与えました。

歌舞伎の看板とその用語

歌舞伎における様々な用語は、看板の役割の違いに基づいており、それぞれが特定の役割を持っています。以下は、歌舞伎の看板に関連する主な用語とその説明です。

• - 一枚目：この看板は主役にあたるもので、役名が書かれています。主なストーリーが展開される中心的な役割です。
• - 二枚目：ここに位置するのが色男や優男の名で、物語の中での恋愛シーンを担当据えています。
• - 三枚目：道化役として存在し、観客を笑わせることが求められます。この役割は全体のリズムを和らげる重要な位置です。
• - 四枚目：中堅役者で、ストーリーのフォローやまとめ役としての役割を持つ存在です。
• - 五枚目：一般的な敵役を意味しており、物語の葛藤を構成します。
• - 六枚目：憎めないが善要素を持つ敵役で、物語に奥行きを持たせます。
• - 七枚目：ラスボスともいえる悪役で、物語の結末に大きく関与する存在です。
• - 八枚目：座長として、全体を取りまとめる役割を担う重要な存在です。

二枚目にまつわる作品

「二枚目」という言葉は、後にさまざまな文化や芸術作品にも影響を及ぼしました。音楽の分野においても、「二枚目」と名付けられたアルバムがいくつか存在します。例えば、ゴスペラーズのアルバム『二枚目』や、メロン記念日のアルバム『THE 二枚目』があります。これらの作品は、歌舞伎文化の影響を受けている部分も多く、美男子像や恋愛模様をテーマにしていることが特徴です。

結論

「二枚目」という言葉は、単なる美男子を指すだけでなく、歌舞伎という日本の伝統文化において重要な役割を果たしています。美しさや魅力を備えた男性像は、現代にあたる今でも「イケメン」として広く受け入れられ、さまざまな形で表現され続けています。

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