二次レーダー

二次レーダー（Secondary Surveillance Radar, SSR）について

二次レーダーとは、航空機などの応答側が搭載するトランスポンダと呼ばれる装置からの応答信号を受信することによって、情報を取得するためのレーダーシステムです。このシステムは、質問信号を発信源が送信し、それに対する応答を航空機が行うことでできています。これにより、航空機の位置や高度、その他の様々な情報を効果的に取得することが可能になります。

一次レーダーとの違い

一次レーダーは、目標物から反射された微弱な信号を受け取る仕組みです。そのため、発信機は強力な電波を放出する必要があり、高額な装置を必要とします。それに対して、二次レーダーはトランスポンダを用いることで、応答信号の電力レベルが高くなるため、比較的安価に高い性能を持つレーダーシステムを構築できます。なお、目標がトランスポンダを搭載していない場合、二次レーダーは機能しません。

SIFシステムの仕組み

二次レーダーでは、航空機にはSIF（Selective Identification Feature）というトランスポンダが搭載されており、主に航空管制に使用されます。このSIFを利用するために、特定のアンテナ配置が行われています。具体的には、回転する一次レーダーのアンテナの上に質問アンテナを設置し、サイド・ローブ抑圧（SLS）アンテナを用います。

質問信号は1,030MHzで送信され、応答信号のコードは1,090MHzで放出されます。質問信号の発信方法としては、主に2つのパルス方式（2パルスと3パルス）が存在します。2パルス方式では、最初のパルスがSLSアンテナから、最後のパルスが質問アンテナから発信され習慣です。一方、3パルス方式では、最初と最後のパルスが質問アンテナから、真ん中のパルスがSLSアンテナから送信されます。

このように、2つの異なるモード（モードAおよびモードC）で質問信号が発信され、トランスポンダはそれに基づいて応答します。応答信号には、4桁のコードと自機の高度が含まれており、航空機の無指向性のATCアンテナから送信されます。発信源はこの応答を受信し、航空機の位置や高度などの情報を表示します。

自動応答と情報処理

トランスポンダは自動的に応答し、受信した質問信号に基づいて厳格に定義された時間内に応答信号を発信します。そのため、質問側の発信機は応答側の距離や方向を把握できる仕組みになっています。特に、発着が多い空港周辺の空域を管理するターミナル管制では、二次レーダーが取得した飛行情報をターミナルレーダー情報処理システム（ARTS）で解析し、便名や高度、速度などの詳細情報を得ます。

まとめ

このように、二次レーダーは航空機の運航管理において不可欠なシステムであり、高い効率性と高精度の情報収集を実現しています。航空管制業務における重要な役割を果たしており、今後もその技術の進化が期待されます。

もう一度検索