二神島

二神島について

二神島（ふたがみじま）は、愛媛県松山市に位置する忽那諸島の一部で、瀬戸内海の中に浮かぶ小島です。島は細長い形をしており、周囲は約10km、面積は2.15km²に及びます。島の南側は切り立った崖が続き、自然の美しさを感じることができます。

地理と周辺の島々

二神島は、南西に怒和島があり、二子瀬戸を挟んで約2.9km離れた沖合に位置しています。南には伊予灘が広がっており、周辺には由利島、横島、中島、小市島、鴨背島などの無人島があります。中でも由利島は約7.8km離れており、二神島の属島として名を馳せています。

島名の由来

二神島の名前は、かつてこの地域で勢力を誇った二神氏に由来しています。この氏は中世に活動しており、地域の歴史に深く根ざしています。

歴史的背景

この島には松が多く生息しており、昔は松島とも呼ばれていました。しかし、中世には既に二神島という名称が普及していました。平安時代末期から人間の開発が始まり、特に中世には二神氏がこの地域を支配していました。河野氏が滅んだ後、庄官が支配を引き継ぎました。文献によると、二神氏は長門豊田氏の系統から派生したと考えられていますが、実際には二神島には古くから二神氏が存在していたと見られています。室町時代から江戸時代までの資料『二神文書』も残されています。

近世・明治以降の発展

二神島は伊予松山藩に属し、漁業を通じて地域経済を支えていました。明治12年（1879年）には松島学校が設立され、教育も進みました。さらに、明治36年には漁協が設立され、昭和17年になると木炭による自家発電も導入されました。昭和32年には海底ケーブルが敷設され、電力供給が始まりました。

人口と社会

二神島は、1889年に町村制が施行され、周囲の島々と共に神和村に属しましたが、1959年に中島町に合併され、2005年には松山市に編入されました。2010年の国勢調査では島の人口は166人、2020年には85人まで減少しました。特に高齢化が進行しており、2013年には12歳未満の子供がいない状況が見受けられました。現在、島には松山市立二神小学校があり、2009年から休校中です。

経済活動

経済の中心は農業と漁業であり、特にかんきつ栽培やタコ漁が主な収入源です。漁港には、タコを捕るためのたこつぼが積み上げられ、独特の景観を形成しています。

交通手段

二神島との交通手段は、二神港から中島汽船を利用することが一般的で、松山港からの高速艇やカーフェリーが発着しています。

近代化と文化

かつては近代化が進まなかったため、1972年には『ナショナルジオグラフィック』誌に取り上げられ、注目を集めました。また、日本のテレビ番組『進ぬ!電波少年』で登場した無人島のエピソードでも話題にされました。

参考文献

この地域に関する詳しい情報は、角川日本地名大辞典にも記載されています。

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