二荒颪

二荒(ふたらおろし、ふたあらおろし)



概要



二荒とは、冬の季節に栃木県の平野部で観測される、乾燥した冷たい北風のことです。この風は、栃木県内では地域や状況に応じて、「男体(なんたいおろし)」、「那須(なすおろし)」、「日光(にっこうおろし)」といった異なる名称で呼ばれることもあります。これらの名称は、栃木県北部に位置する山々に由来しており、特に「男体」は、日光連山の主峰である男体山(別名:二荒山)から名付けられました。

二荒の発生メカニズム



冬季には、日本列島に北西からの強い季節風が吹き付けます。この季節風は、列島の背骨をなす山脈にぶつかり、急速に冷却され、日本海側の山地に大量の雪を降らせます。その過程で、風は湿気を失い乾燥した状態となります。この乾燥した冷たい北風が山脈を越え、太平洋側に吹き下ろす現象が「(おろし)」です。栃木県では、この強い乾燥した北風を「二荒」と呼んでいます。

地域による名称の違い



栃木県内では、同じようなメカニズムで発生する風でも、地域によって異なる名称が使われます。例えば、群馬県では「赤城(あかぎおろし)」、茨城県では「筑波(つくばおろし)」といった名称が用いられます。これらの風は、それぞれ地域特有の気象条件や地形の影響を受けて、特有の性質を持つことがあります。

宇都宮高等学校応援歌としての二荒



「二荒」は、栃木県立宇都宮高等学校の応援歌の題名にもなっています。この応援歌は、当初、全国高等学校野球選手権大会に出場する宇都宮高校野球部を応援するために作られました。力強い風をイメージさせる「二荒」という言葉は、応援歌のタイトルとして、選手たちの闘志を鼓舞する象徴的な意味合いを持っています。

関連用語



男体山日光連山の主峰であり、二荒の名称の由来となった山。
(おろし):山から吹き下ろす風の総称。
局地風:特定の地域に特有の風。
筑波:茨城県に吹く局地風の一つ。
* 赤城:群馬県に吹く局地風の一つ。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。