二階堂蘭子

二階堂蘭子

二階堂蘭子は、推理作家・二階堂黎人氏の推理小説「二階堂蘭子」シリーズに登場する、架空の女性探偵です。

概要

1949年7月19日生まれ。身長は約165cm。「ハリウッドの映画女優を思わせる豊かな巻き毛、滑らかな輪郭を持つ顔立ち、猫の目のような黒い瞳」と形容されるほどの美貌の持ち主です。作品の時代設定は昭和40年代であり、ミニスカートを愛用しています。

事件の記述者であり、ワトソン役を務める二階堂黎人氏は、蘭子の義兄にあたります。蘭子は警察官僚を多く輩出する二階堂家の令嬢ですが、実の両親は彼女が赤ん坊の頃に亡くなっています。その後、警視正である二階堂陵介が養父となり、その妻である鏡子と共に蘭子を養女として迎えました。陵介・鏡子夫妻の実子である黎人とは、兄妹として育ちました。

幼い頃、バスタブで溺死させられかけた経験から、水が苦手で水辺に近づけず、船も苦手としています。また、寒がりな一面も持ち合わせています。

当時の時代背景から、女性である彼女を軽視する人々も少なくありません。そのため、自身の能力を認めさせるべく、シャーロック・ホームズのように、初対面の相手に対してその素性や近況を推理し、言い当てることを得意としています。作者が冒険小説の要素を取り入れていることもあり、頭脳を使った推理だけでなく、自らも積極的に動き回ります。しかし、時には犯人に捕まってしまうこともあります。彼女が対峙する犯人は、完全犯罪を企む個人であるよりも、組織を操る凶暴で残虐な怪人であることが多いです。悪の組織と戦う長身の美女というヒロイックな設定でありながら、格闘術などの身体能力に関する描写はほとんどありません。

「人狼城の恐怖」事件解決後、蘭子は行方不明となります。2012年刊行の『覇王の死』までに発表された作品は、いずれも失踪以前の事件を扱っています。失踪から約3年後の1974年6月2日、1歳前後の息子・亜蘭（あらん）を連れて帰国しました。

蘭子の宿敵は、自らを魔王ラビリンスと名乗る怪人です。

作品リスト

長編

地獄の奇術師
吸血の家
聖アウスラ修道院の惨劇
悪霊の館
人狼城の恐怖（第一部・ドイツ編、第二部・フランス編、第三部・探偵編、第四部・解決編）
悪魔のラビリンス
魔術王事件
双面獣事件
巨大幽霊マンモス事件

短編

ユリ迷宮（ロシア館の謎、劇薬、密室のユリ）
バラ迷宮（サーカスの怪人、変装の家、喰顔鬼、ある蒐集家の殺人、火炎の魔、薔薇の家の殺人）
ラン迷宮（泥具根博士の悪夢、蘭の家の殺人、青い魔物）

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