五十嵐政郎

五十嵐 政郎氏（いがらし まさお）は、日本の造園分野で活躍する人物であり、長年にわたり東京都の地方公務員として緑豊かな都市環境づくりに貢献してきました。

千葉大学園芸学部で学び、さらに同大学院修士課程を修了した後、1981年に東京都建設局に入庁。以降、一貫して公園緑地行政の分野でキャリアを積んでいきます。

東京都建設局では、公園緑地部計画課長として都内の公園や緑地の将来像を描き、長期的な整備計画やマスタープランの策定に携わりました。これは、東京都の緑化施策の根幹をなす重要な役割です。その後、西部公園緑地事務所長を務め、特定の区域における公園緑地の維持管理や整備、利用者サービス向上といった現場の運営責任者として手腕を発揮しました。そして、東京都建設局公園緑地部長という要職に昇進。これは、都内の公園緑地に関する政策全体を統括し、部門を指揮する最高責任者であり、東京都の緑化推進や都市の緑地空間の質向上に多大な影響力を持つ立場でした。

東京都の行政内部だけでなく、関連する様々な団体の活動にも深く関与しています。例えば、武蔵村山市緑化審議会委員として地域の緑化推進に関する諮問に応じるなど、多摩地域の緑化にも貢献。また、（公財）東京都公園協会常務理事として、都立公園をはじめとする様々な公園・緑地の管理運営に専門知識を提供し、その質の向上に貢献しました。さらに、財団法人東京都慰霊協会理事や一般社団法人日本公園緑地協会理事といった役職を通じて、より広範な社会貢献や専門分野の発展にも寄与しました。

特に注目される活動の一つとして、第29回全国都市緑化フェア TOKYOにおける貢献が挙げられます。この大規模イベントにおいて、五十嵐氏は実行委員会事務局・事業本部ディレクターとして、イベント全体の企画立案、準備、実施における中心的な役割を担いました。全国から注目される緑化の祭典を成功に導くために、多岐にわたる調整や実務を指揮し、都市における緑の重要性を広く発信する機会を作り出しました。

また、『市民ランドスケープの創造』（市民ランドスケープ研究会）の著書にも名を連ねており、これは単なる行政官としてだけでなく、市民参加型の緑地づくりや、より地域に根ざしたランドスケープの創造に対する深い関心と知見を持っていたことを示唆しています。

このように、五十嵐政郎氏は、地方公務員としてのキャリアを通じて、東京都の公園緑地の計画、整備、管理運営のあらゆる側面に深く関わり、緑豊かな都市環境の実現に尽力しました。その功績は、都民が享受する良好な都市空間の基盤となっています。

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