五木田智央

五木田智央（ごきた ともお、1969年7月28日 - ）は、東京都出身の画家です。彼の作品は、独特なモノクロームのスタイルと、プロレス、音楽、ファッションなど、多様なカルチャーからの影響が特徴です。

初期の活動とプロレスとの関わり

五木田は、幼少期から絵を描くことを好みましたが、その作風は教員から「漫画のようだ」と評されることもありました。しかし、1984年、プロレス雑誌『週刊ザ・プロレス』に投稿したルー・テーズのイラストが掲載されたことをきっかけに、藤原喜明から「ドッカン特待生」という異名を与えられました。さらに、17歳時には『闘魂スペシャル』で藤原の絵が優秀作に選ばれるなど、プロレス関連のイラストレーターとしても才能を発揮しました。

画家としての転身と国際的な評価

五木田は、初期には雑誌媒体を中心にイラストレーターとして活動していましたが、2004年頃からキャンバスに描くモノクロの絵画が海外で注目を集めるようになりました。一時期は生活のためにイラストレーターの仕事もしていましたが、制約の多い仕事に嫌気がさし、画家としての活動に専念するようになりました。2017年には、ニューヨークやロサンゼルスでの展覧会が『ニューヨーク・タイムズ』や『ARTFORUM』のアートレビューで高く評価され、国際的な評価を確立しました。

五木田の作風と人物像

五木田の作品は、その病的な作風が特徴的であると評されることが多く、本人もそれを認めています。また、女性の裸体を描く機会が多く、本人も「ぽっちゃりが好き」と公言しています。画家としての制作スタイルは、締め切りがないと集中できないタイプであると語っています。10代の頃には山藤章二の影響を受けていました。

プロレスへの愛情

五木田は、熱狂的なプロレスファンとしても知られています。特にアントニオ猪木を敬愛しており、妻の兄も同様に猪木ファンです。また、プロレスラーだけでなく、すべての人間の全盛期は29歳であるとする「29歳ブレイク説」を提唱しており、自身も29歳の時に『ランジェリー・レスリング』の展覧会を開催したことを根拠づけています。プロレス関連の創作物も数多く、『KAMINOGE』では『画画画報』を連載しています。

生活と趣味

若い頃は、朝から晩まで絵を描き続ける生活を送っていましたが、2017年頃には、夕方5時から6時頃には仕事を切り上げてビールを楽しむ生活を送っています。また、娘の影響で星野源の音楽が好きになったというエピソードも持っています。幼い頃から夕焼けが好きで、夕焼けを見ると泣きそうになるという感性も持ち合わせています。

主な作品集

• - 『ランジェリー・レスリング』（リトルモア、2000年）
• - 『シャッフル鉄道唱歌』（天然文庫、2010年）
• - 『777』（888ブックス、2015年）

五木田智央は、その独特な作風と、プロレス、音楽、ファッションなど多様なカルチャーへの深い造詣によって、国内外で高い評価を受けている、現代を代表する画家の一人です。

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