五瘟使者

五瘟使者について

五瘟使者（ごおんししゃ）は、中国の疫病を司る神々を指し、また鬼神としての側面も持ちます。この神々の中には、五方瘟神や五福使者、さらには五福大帝といった名称も存在します。彼らは主に天界の瘟部（おんぶ）に属しており、人々に流行病や疫病をもたらす存在とされています。

概要

「瘟」という文字は縁起が悪いとされるため、この神々を表す際には「福」という字を用いることがあり、特に台湾では「五福使者」と表記されることもあります。五瘟使者は五人の神から構成されており、それぞれが方位を担当しています。具体的には、春の張元伯が東方を、夏の劉元達が南方を、秋の趙公明が西方を、冬の鍾士貴が北方を、そして中央を史文業が支配しています。このように、五人の神々によってそれぞれの季節や方位に関連する疫病が象徴されているのです。

疫病にまつわる信仰

南北朝時代に編纂された天師道の書『女青鬼律』には、疫病に関する鬼神たちが記されています。そこでも張元伯、劉元達、趙公明、鍾士貴、史文業の名前が挙げられ、彼らは疫病をもたらす鬼としての役割を果たしていることが示されています。これらの神々は、疫病の発生を暗示する存在として崇拝される一方で、五毒将軍（ごどくしょうぐん）という存在の支配下にもあります。

五瘟使者とその役割

五瘟使者は、それぞれ異なる色と季節に関連付けられています。たとえば、春の神である張元伯は青色を、夏の神である劉元達は赤色を、秋の神である趙公明は白色を、冬の神である鍾士貴は黒色を、中央の神である史文業は黄色を象徴しています。このカラフルな象徴は、農業や季節の変化と深く関連しており、古代中国における自然観をも反映しているのです。

関連項目

五瘟使者に関連する存在として、五毒将軍や六毒大神、さらに瘟鬼などが存在します。これらはそれぞれ別々の役割を持ちながらも、疫病や病気に対する恐怖や警戒を象徴する点で共通しています。

五瘟使者は、疫病という存在をただ恐れるのではなく、それに対する認識と信仰を通じて人々の生活に影響を与えてきました。彼らの存在は、古来より人々が病気や自然現象をどのように理解し、対処してきたかを示す一つの例であり、現代においてもその信仰は根強く残っています。

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