井上喜久子の瑠璃色アクアリウム

『井上喜久子の瑠璃色アクアリウム』（いのうえきくこのるりいろあくありうむ）は、文化放送で1995年 10月13日から1996年 3月29日にかけて放送されたラジオ番組です。本番組では、声優として知られる井上喜久子が単独でパーソナリティを担当しました。

番組の特徴と位置づけ

本番組は、井上喜久子が過去にパーソナリティを務めた『井上喜久子のトワイライトシンドローム』の後継番組として企画されました。井上喜久子にとって、これが二本目の冠ラジオ番組となります。前番組と多くの制作スタッフが共通していたことから、番組構成や一部のコーナーに類似点が見られました。

大きな違いとして挙げられるのは、番組全体の雰囲気です。前番組がゲームソフトのプロモーション番組という性質上、ホラーテイストを強く打ち出していたのに対し、『瑠璃色アクアリウム』ではパーソナリティである井上喜久子自身の、温かく包み込むような柔らかな持ち味が最大限に活かされていました。番組は終始、ほんわかとした和やかな空気に包まれ、リスナーは彼女とのアットホームな交流を楽しむことができました。

番組開始当初の文化放送の番組表などでは、『まんぼう放送局』という名称で仮記載されていた時期もあったようです。約半年間の放送期間でしたが、最終回ではパーソナリティの井上喜久子から、リスナーへ向けて高校時代の同級生との結婚が発表されました。これは番組を締めくくる大きなサプライズとなり、多くのリスナーに感動と祝福をもたらしました。

主なコーナー紹介

リスナーとの密なコミュニケーションを重視し、様々な趣向を凝らしたコーナーが番組を彩りました。

おねぇちゃんにきけぇ〜
リスナーから寄せられるあらゆる種類の質問に対し、井上喜久子が親身になって答える人気コーナーでした。「人に何かを尋ねられるのが好き」という井上自身の希望により、前番組『トワイライトシンドローム』から引き継がれて継続された企画です。リスナーは日頃の疑問や悩みを気軽に「おねぇちゃん」に投げかけることができました。

シアターアクアリウム
毎週設定されるテーマに沿ってリスナーから物語の種となるお便りを募集し、それを元に番組独自のミニドラマを制作して放送しました。リスナーは自らの想像力を活かした投稿が、実際のラジオドラマとして形になるという面白さを体験できました。

不思議の国のアクアリウム
「まだ誰も考えたことのない、全く新しいアクアリウム」のアイデアを広く募集するコーナーです。物理的に実現可能な現実的な提案から、絵空事のような夢あふれる空想まで、面白ければどんな発想でも歓迎されました。リスナーの自由な発想力が試される創造的な企画でした。

オートマティックストーリーメーカー
リスナーに「いつ」「どこで」「誰が」「誰と」「何を」「どうした」といった物語の断片となるフレーズを送ってもらい、井上喜久子がそれらをランダムに組み合わせて即興で一つの文章や短い物語を作り上げる言葉遊びのコーナーです。予期せぬ単語の組み合わせから生まれるユーモラスな展開がリスナーの笑いを誘いました。

こんな製品はいやだ&うれしい
世の中に存在したら「絶対に欲しくない、使いたくない」と感じる嫌な製品のアイデアと、逆に「これは便利、ぜひ欲しい」と感じる嬉しい製品のアイデアを募集する企画でした。リスナーの日常的な視点やユニークな発想力が光るコーナーでした。

井上喜久子の瑠璃色アクアリウム