井上寿一

井上 寿一（いのうえ としかず）

井上寿一は、1956年11月9日に東京都で生まれ、日本の著名な政治学者及び歴史学者として知られています。彼の専門分野は、日本政治外交史や歴史政策論であり、学習院大学法学部で教授を務めています。また、他の国際政治学関連の学会でも評議員として活動しており、その学識が広く認められています。

人物・経歴

彼は一橋大学の大学院在学中に細谷千博の指導を受け、昭和戦前期の日本外交に関する一次史料を使用した実証的な研究を行ってきました。この努力の結果、彼の学位論文である『危機のなかの協調外交』は公刊され、日本外交史の研究に革命的な視点を提供しました。この著作によって、井上は1995年に吉田茂賞を受賞し、学界での評価が高まります。

近年では、オーラルヒストリーの方法論を取り入れ、歴史政策論の新たな領域を切り開こうとする姿勢を見せています。特に戦後日本における経済外交やアジアへの外交政策に対する考察を深め、これまでの研究を基にした新たな視点を提示しています。井上は、ゼミの同級生である田中康夫（作家、元長野県知事）と親しい関係を築いています。

学歴

彼の学歴は以下の通りです：

• - 1981年: 一橋大学社会学部を卒業。
• - 1983年: 一橋大学大学院法学研究科修士課程を修了。
• - 1986年: 同大学院博士課程を単位取得後に退学。
• - 1988年: 法学博士の学位を取得。

職歴

井上寿一の職歴は豊富であり、以下のステップを経て現在に至ります：

• - 1986年: 一橋大学法学部の助手として就職。
• - 1989年: 学習院大学法学部の助教授に就任。
• - 1993年: 同教授となり、その後学校法人学習院の企画部長や理事を兼任。
• - 2005年から2009年: 学習院大学法学部の部長。
• - 2014年から2020年: 学習院大学の学長を務めました。

社会的活動

また、井上は社会的活動にも積極的に参加しており、以下のような役割を果たしています：

• - 2009年: 読売新聞の読書委員会のメンバー。
• - 2010年: 日本国際政治学会の評議員。
• - 2012年: 大学基準協会の評議員。
• - 2014年: 内閣府の公文書管理委員会の委員及び国家安全保障局の顧問。

受賞歴

彼の業績は様々な賞によって評価されています。

• - 1995年: 吉田茂賞及び政治研究櫻田会の奨励賞。
• - 2011年: 正論新風賞を受賞。

著作

井上には多くの著作があり、以下はその一部です：

• - 『危機のなかの協調外交』
• - 『日本外交史講義』
• - 『日中戦争下の日本』
• - 『昭和史の逆説』
• - 『広田弘毅 常に平和主義者だった』
• - 『戦争と嘘』

彼の著作は日本の外交史や政治の理解を深めるための重要な資源となっており、政治学や歴史を学ぶ人々に多くの影響を与えています。

井上寿一は、日本の歴史と外交を通して国家の成り立ちや国際関係について深い洞察を持つ学者であり、その研究成果は日本国内外で高く評価されています。

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