井上敏樹

井上敏樹のプロフィール

井上敏樹（いのうえ としき、1959年11月28日生まれ）は、日本の脚本家であり、特撮テレビドラマやアニメ作品で数多くの脚本を手がけています。埼玉県で生まれ、成蹊大学を中退しました。彼の脚本家としての道を開いたのは、父である伊上勝の影響であり、娘の井上亜樹子も同じく脚本家として活躍しています。井上は自らを「大先生」と称し、理論的なアプローチで高度な物語を構築することを重視しています。

来歴

井上は特撮やアニメのジャンルで幅広い活躍を見せており、特に『仮面ライダー』や『鳥人戦隊ジェットマン』などで知られています。大学在学中に、短編小説が東映動画のプロデューサーの目に留まったことから、1981年に『Dr.スランプ アラレちゃん』での脚本デビューを果たしました。デビュー以降、彼はアニメ作品を中心に活躍し、『DEATH NOTE』『ギャラクシーエンジェル』などのメインライターとしても知られています。

彼のキャリアの中で、1985年からは東映特撮作品にも本格的に携わり、『超新星フラッシュマン』からはスーパー戦隊シリーズへの関与が始まりました。平成仮面ライダーシリーズでは、『仮面ライダーアギト』『仮面ライダー555』などを含む多数の作品で脚本を手がけ、親子二代で仮面ライダーシリーズに貢献することとなります。

作風

井上の脚本は、物語の進行においてプロットや箱書きの完成度を重視することが特徴です。特に、シーンごとの概要を示した箱書きを重視し、その後に展開する詳細については演出や俳優に信頼を寄せています。また、彼は締め切りを厳守する速筆家としても知られ、制作スケジュールが遅れた場合は「助っ人」として呼ばれることが多いです。

彼の作品には、主人公が持つ内面的な葛藤や、複雑な人間関係が描かれることが多く、一般的なヒーロー像への懐疑を示したキャラクターが多数登場します。自己中心的な人物や人間関係の葛藤はしばしば見られ、このために視聴者の共感を呼ぶ場面が作られています。たとえその破滅が自業自得であっても、彼は印象的な描写を用意することで視聴者に響くストーリーを描くことが得意です。

人物とエピソード

井上はその豪快な人柄でも知られており、彼自身はその評判について「周囲が大きくしているだけ」と語っています。中学時代には「変人」と呼ばれた彼は、自由を求めてインドでの出家経験があります。意外に繊細でありながら豪放なエピソードが多く、共同執筆者や後輩からも慕われる存在です。彼の作品には、音楽や食事シーンがしばしば取り入れられ、ストーリーのムードを盛り上げる効果があります。

人間関係

井上は父との関係において、影響を受けつつも独自の道を歩んできました。また、娘の井上亜樹子も脚本家として活動しており、家族が共に芸術に関わる点が特筆されます。彼は業界内での信頼も厚く、共同作業や協業を通じて若手脚本家を育成する姿勢を持っています。

このように、井上敏樹は多面的な才能を持った脚本家であり、特撮やアニメのジャンルにおいて大きな影響を与え続けています。

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