井上智和

井上智和（いのうえ ともかず）

井上智和は1975年10月31日に宮崎県で生まれた日本の柔道家で、100kg級に所属していました。彼は身長183cmという恵まれた体格を持ちながら、柔道の道に足を踏み入れたのは小学校3年生の時。その後、数々の試合で競い合い、数多くの成果を残していきました。彼の弟である井上康生はシドニーオリンピックにおいて100kg級で優勝した経歴を持ち、両兄弟はともに日本の柔道界での伝説的存在です。

幼少期から高校までの経歴

井上は小学校6年生の時に、当時3年生だった弟に投げられたというエピソードが彼の柔道キャリアのスタート地点を物語っています。大宮中学校を経て、宮崎日大高校に進学。高校3年生の時にはインターハイの軽重量級決勝で埼玉栄高校の中野尚信に敗北。この敗戦は彼の柔道に対する情熱をさらに強めた瞬間でした。

明治大学に進学後は、3年次の優勝大会で東海大学に敗れ、2位に終わるものの、4年次には正力杯95kg級を制し、弟と共に兄弟優勝を達成。また、正力国際大会では100kg級で優勝し、国際舞台でも存在感を示しました。特に、弟も同年に95kg超級で優勝したことから、兄弟揃っての栄光は大きな話題となりました。

プロ柔道家としての活動

1998年、井上は大平工業に所属し、100kg級に階級を下げた弟との対戦で決勝に進出。接戦の末、優勝を手にしました。1999年には嘉納杯でアトランタオリンピックの金メダリスト、ポーランドのパウエル・ナツラを打ち破り優勝。さらに、新日鉄に入社し、サラリーマンとしても柔道を続ける道を選びました。

この年の講道館杯では、国士舘大学の鈴木桂治に敗北したものの、その後も柔道界での影響力を維持しました。2000年の体重別大会では準決勝で鈴木に敗れましたが、弟はオリンピック代表に選出される迫力ある兄弟の活躍は多くのファンに感動を与えました。

引退後と現在の活動

柔道界での熾烈な競争を経て、井上は2001年に警視庁に所属。以降も数つの大会で実績を残しましたが、2004年の体重別大会では弟との対戦で惜しくも敗れました。それでも、彼は数々の優勝を果たし続け、2005年の体重別大会では3位にとどまりました。

2012年には引退後にも関わらず、全日本選手権で弟とともに数々の投げ技を披露し、柔道に対する情熱を忘れない姿勢を見せました。

2023年2月には、ジャパンエレベーターサービスホールディングスが設立した柔道部の監督に就任。これからの選手たちに指導する立場で活躍しています。井上智和の柔道に対する情熱とそれを支える兄弟愛は、今もなお多くの柔道家に影響を与え続けています。

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