井原今朝男

井原今朝男氏は、1949年1月1日生まれの日本の歴史学者です。国立歴史民俗博物館と総合研究大学院大学の名誉教授を務めています。中央大学で史学博士号を取得し、専門は日本中世史、特に荘園制、税制、農村など社会経済史の研究です。長野県長野市出身。

静岡大学人文学部日本史学科を卒業後、長野県中野実業高等学校教諭、長野県教育委員会勤務を経て、長野県立歴史館専門主事を務めました。1996年には中央大学から博士号を授与され、論文題目は「日本中世の国政と家政」でした。1998年に国立歴史民俗博物館の教授に就任、1999年からは総合研究大学院大学文化科学研究科日本歴史研究専攻の教授も兼任しました。その後、大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立歴史民俗博物館研究部教授を経て、2013年に定年退職されました。

井原氏の研究は、日本中世の社会経済構造を多角的に捉え、その実態を明らかにするものです。特に、荘園制や税制、農村の経済活動に焦点を当て、当時の人々の生活や社会のあり方を深く考察しています。中世の国家と社会、宗教、経済など、多岐にわたるテーマを研究し、多くの著書や論文を発表しています。

主な著書には、『日本中世の国政と家政』、『中世のいくさ・祭り・外国との交わり－農村生活史の断面』、『中世寺院と民衆』、『中世の借金事情』、『日本中世債務史の研究』、『中世の国家と天皇・儀礼』、『室町廷臣社会論』、『中世日本の信用経済と徳政令』などがあります。これらの著作は、中世史研究における重要な文献として高く評価されています。

また、共編著として『長野県の歴史』、『展望日本歴史 8 荘園公領制』、『論集 東国信濃の古代中世史』、『環境の日本史 3 中世の環境と開発・生業』、『生活と文化の歴史学 3 富裕と貧困』などがあり、地域の歴史や環境史、文化史にも貢献しています。

井原今朝男氏の研究は、日本中世史の理解を深める上で欠かせないものであり、その業績は今後の歴史研究においても重要な基盤となるでしょう。

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