井江春代

井江春代（いえ はるよ）は、1923年1月1日に生まれ、2011年5月11日に逝去した日本の美術家、絵本作家です。

生涯

鳥取県に生まれた井江春代は、1944年に女子美術専門学校（現在の女子美術大学）師範科日本画部を卒業しました。初期の頃から美術家としての才能を発揮し、独自の表現を追求しました。

1964年には、絵本『かえるのけろ』で第13回小学館絵画賞を受賞し、絵本作家としての地位を確立しました。この作品は、子供たちの心に寄り添う温かい物語と、美しい絵で多くの読者を魅了しました。

1973年、井江春代は初めてラテンアメリカを旅行し、特にペルーの文化や自然に深く感銘を受けました。その後、1985年まで5回にわたりペルーを訪問し、アンデスの大自然や人々の生活に触れる中で、新たな創作意欲を掻き立てられました。これらの経験は、彼女の作品に大きな影響を与え、独特の世界観を形成する原動力となりました。

2011年、88歳で永眠。彼女の作品は、今もなお多くの人々に愛され続けています。

受賞歴

1964年：絵本『かえるのけろ』で第13回小学館絵画賞を受賞

個展

1992年：「リンゴの木の下で　パチャママ原画展」：小さな絵本美術館（諏訪）
1997年：「20代から60代 半世紀の歩み 井江春代回顧展」：小さな絵本美術館（諏訪）
2000年：「喜寿のあそび 紙筒人形」：或るギャラリー（西国分寺）
2001年：「アンデスが私を変えた」：シルクラブ（沼袋）

主な著作

『かまきりとフライパン』（ひかりのくに昭和出版） 1966年
「パチャママ」シリーズ
『パチャママ だいちのめがみ』（フレーベル館） 1986年
『パチャママしってる?』（フレーベル館） 1987年
『パチャママのとりかえっこ』（フレーベル館） 1988年
『おせっかいなパチャママ』（フレーベル館） 1989年
『パチャママのおはなし わがままリンド』（フレーベル館） 1990年
* 『パチャママしなないで!』（フレーベル館） 1991年

パチャママシリーズについて

井江春代の代表作として知られる「パチャママ」シリーズは、アンデスの大地の女神をモチーフにした絵本です。ペルーでの体験をもとに、自然と人間との共生、生命の尊さ、子供たちの成長などをテーマに描かれています。温かい色彩と繊細なタッチで描かれた絵は、子供たちの心を優しく包み込みます。シリーズを通して、井江春代は自然への畏敬の念と、子供たちへの愛情を表現しました。

井江春代の作品は、日本の児童文学、美術界に大きな足跡を残し、彼女の創造性は後世にまで影響を与え続けています。

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