亘理宗根

亘理 宗根（わたり むねもと）の生涯

亘理宗根は、江戸時代前期に活躍した仙台藩士であり、初代高清水亘理家の当主です。彼は慶長5年（1600年）に伏見で誕生しました。父は仙台藩初代藩主である伊達政宗、母はその愛妾である香の前です。香の前はもともと豊臣秀吉の愛妾でしたが、政宗に下賜され、2人の子供を授かりました。その中で宗根が男子として生を受けましたが、彼の誕生後2年目には母は茂庭綱元に下げ渡され、彼自身もその実子扱いで育てられることとなります。

最初の頃、宗根は「茂庭又四郎」と名乗り、同母姉の津多と共に茂庭家で育てられましたが、慶長11年（1606年）に高清水城に住む亘理重宗の末娘と結婚し、婿養子として亘理家の名跡を相続します。これにより宗根は「亘理宗根」と名乗るようになりました。高清水城はその後150年間亘理家の居城となり、長い間一族の中心的な拠点となりました。

宗根は、慶長20年（1615年）の大坂夏の陣に従軍し、そこで家来の牧野半助と共に勇猛果敢に戦いました。この戦で彼は大野治長配下の部将、中川隼人を討ち取る武功を挙げます。翌元和2年（1616年）には、重宗の隠居領である1,000石の相続が認められ、さらに栗原郡の沼崎・鶯沢にも加増されることになりました。

その後、元和4年（1618年）には、母である香の前を高清水に迎え入れ、尽くしながら共に過ごします。香の前が亡くなることになると、宗根はその菩提寺となる安楽寺を明暦2年（1656年）に開基しました。宗根自身は寛文9年（1669年）10月26日に70歳で生涯を閉じ、嫡孫の宗喬が家督を相続します。

系譜

宗根の家族関係も興味深いもので、父は伊達政宗、母は香の前となります。香の前は彼の姉津多を含め、原田宗資の正室であり、原田宗輔の母でもあります。また宗根の異母兄弟には多くの伊達家の子どもたちが含まれており、その中でも著名な人物は伊達秀宗や伊達忠宗などです。

宗根の正室は榮頌院で、彼女は亘理重宗の娘でした。宗根には亘理宗廣という子供が生まれていますが、生母不明の子女として各務利静も存在しています。

宗根が生きた時代は、彼にとって非常に重要な時代であり、彼の家系を通じて日本の歴史における伊達家の影響と関わりを深く理解するための手がかりとなります。彼の生涯や行動、家族の絆は、単なる個人の物語に留まらず、当時の政治情勢や文化にも影響を及ぼしたのです。また、NHK大河ドラマ『独眼竜政宗』でもその姿が描かれており、多くの人々にとって彼の歴史的な背景が身近なものとなっています。

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