交通安全環境研究所

交通安全環境研究所について

交通安全環境研究所（National Traffic Safety and Environment Laboratory）は、国土交通省の管理下にある独立行政法人自動車技術総合機構の内部組織であり、自動車の安全性や環境基準を確保するための様々な研究と認証業務を行っています。東京都調布市に本部を置き、埼玉県には二つの自動車試験場を設けています。

所在地

• - 本部: 東京都調布市深大寺東町7-42-27
• - 自動車試験場: 埼玉県熊谷市御稜威ヶ原1-1
• - 自動車試験場第二地区: 埼玉県熊谷市上之2959-22

組織構成

交通安全環境研究所は、5つの専門部門と1つの室から成り立っており、各部門が自動車産業の多様なニーズに応えるために活動しています。

自動車認証審査部

この部門は、自動車型式指定制度に基づき、日本国内の自動車やその部品が安全および環境基準に適合しているかを公正・中立な立場から審査します。自動車の認証審査を通じて、基準に適合しない車両の流通を未然に防ぎ、国民の安全と環境保全に寄与しています。

リコール技術検証部

自動車に関する不具合が設計や製造過程に起因するかどうかを技術的に検証し、リコールの実施をサポートします。また、外部機関とも協力し、新技術や複雑な不具合に迅速に対応しています。

環境研究部

環境に関する規制の強化や新たな技術に対応するため、様々な研究を行っています。この部門は、地球温暖化の防止や省エネルギーの推進を目指し、環境負荷を低減するための施策を提案し、公害防止に貢献しています。

自動車安全研究部

自動運転技術が進化する中で、この部門は安全基準や技術評価手法を開発し、運転者や歩行者の観点からの安全性向上を目指しています。事故の被害軽減や予防安全についての研究も行い、新しい技術に合わせた手法の提案も行っています。

国際調和推進統括

日本が国際的な自動車基準の統一に取り組む中で、この部門は国際的な会議に参加し、研究成果を基に日本独自の基準や試験方法を提案しています。自動車技術基準の国際化に貢献しています。

鉄道認証室

この部門は、鉄道分野において国際規格への適合認証を行う機関として、鉄道製品・技術の海外展開に寄与しています。特に、IEC規格に基づいた認証業務が中心です。

交通システム研究部

鉄道やLRTなどの交通システムの安全性や効率性を確保するため、事故原因の分析やコスト効率の良い事故防止策の研究に努めています。この部門は公共交通の利用促進や地域交通の持続可能な発展にも貢献しています。

沿革

• - 1950年: 運輸省に運輸技術研究所が設立されました。
• - 1963年: 船舶技術研究所に改称。
• - 1970年: 交通安全公害研究所として独立。
• - 2001年: 国土交通省に移管。
• - 2001年: 独立行政法人交通安全環境研究所が設立されました。
• - 2016年: 自動車検査独立行政法人と統合し、現在の位置付けになりました。

交通安全環境研究所は、今後も自動車や交通システムの安全性向上と環境問題の解決に向けた研究を進めていくとともに、国際的な水準に応じた適切な基準を確立していくことを目指します。

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