京城日本人世話会

京城日本人世話会の概要と歴史

京城日本人世話会（けいじょうにほんじんせわかい）は、昭和20年（1945年）8月25日に日本の敗戦を契機に朝鮮京畿道京城府（現在のソウル特別市）で設立された団体です。この組織は、戦後、「外国人」となった在朝日本人の援護や帰国を支援することを目的としていました。設立当初は「京城内地人世話会」と名付けられましたが、後に京城日本人世話会へと改称されました。

設立の背景

終戦に伴い、在朝日本人は多くの困難に直面しました。彼らは急速に状況が変化する中で、生活の基盤を失い、支援を必要とする大勢の人々が存在しました。そうした中、京城日本人世話会は、朝鮮総督府からの補助金を基に活動を開始しました。この資金は組織の運営に充てられ、アメリカ軍政庁との連携を図りながら事業の推進に努めました。

活動内容

世話会は、病院（罹災民救済病院）の運営や、避難してきた日本人に対する救護活動に力を入れました。京城府内の日本人のみならず、ソ連軍占領下にいる朝鮮北部から逃れてきた人々にも手を差し伸べました。これにより、多くの人々が困難な状況から救われることとなりました。

歴史の詳細

京城日本人世話会は1945年8月25日に発足し、その後わずか1ヶ月以内に様々な活動が行われました。最初の公式な広報として9月2日に「会報」が発行され、9月15日には名称を「京城日本人世話会」に変更しました。また、同月には法律相談部を設置し、職員を配置しました。10月には罹災民救済病院も開設され、日本人の生活を支える基盤が整えられました。

次の段階では、引揚業務が本格的に始まり、10月23日には日本人の帰国が促されました。しかし、社会情勢は依然として厳しく、10月20日には「倭奴掃蕩本部」という機関からの脅迫とも取れるビラが撒かれました。アメリカ軍政庁はこの件について直ちに警告を発しました。

12月には、旧朝鮮総督府の施設を吸収し、さらに「みなし児収容所」を開設し、捨てられた子供たちの保護に努めました。

1946年に入ると、全日本人に帰国命令が出されたことに伴い、活動に変化が見られました。特に3月14日の帰国命令は、日本人の動向に大きな影響を与えました。そして12月27日、世話会は全職員の引揚により解散しました。これにより、短期間ではありましたが、京城日本人世話会は多くの日本人の生活向上や帰国に貢献した組織となりました。

関連事項

この世話会の活動は、同時期に設立された他の組織、例えば釜山日本人世話会とも関連しており、引揚者全体の支援の一環を形成していました。彼らの活動は、戦後の混乱期における日本人の帰国や生活再建において非常に重要な役割を果たしました。

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