京大式カード

京大式カード（きょうだいしきカード）とは

京大式カードは、B6サイズの情報カードの一種で、さまざまな情報を整理するために使われます。日本では、大学や研究所で利用されることが多く、その起源は明治時代にさかのぼりますが、当時のサイズは主に輸入品の5×3インチや、大学の研究で使用される6×4インチや8×5インチが中心でした。

情報カードの歴史

情報カードは、最初は主に研究者がメモや論文を作成するための道具として利用されていました。しかし、梅棹忠夫の著書『知的生産の技術』によって、その知名度が急上昇し、研究者以外にも多くの人々が使うようになりました。梅棹は、情報カードの最適なサイズや効果的な使用法について提案し、それが研究や学問の現場に広がることとなりました。梅棹の影響を受けた藤本ますみは、著書『知的生産者たちの現場』の中で、実際の使用方法や効果について具体的に触れています。

京大式カードの成り立ち

京大式カードは、梅棹が第二次世界大戦後のモンゴル遊牧民に関する研究中に、資料の整理を容易にするために考案したものです。梅棹は闇市で手に入れた紙を使ってカードを作成し、これが彼の研究仲間たちに広がることで次第に利用法が確立されていきました。

その後、梅棹は、桑原武夫が主宰する「フランス百科全書の研究」で共同研究者たちに配布された既製のB6判カードを基に、図書館用品専門店にカードの設計を依頼しました。最初に製造を手がけたのは、京都市左京区に位置する増尾文尚堂という文具店でしたが、梅棹の著作によってカードの存在が広まり、次第に大手文具メーカーも参入するようになりました。

現在の状況

現在、京大式カードはコレクト株式会社から同名の製品が販売されており、多くのユーザーに愛用されています。このカードの名称は、実は梅棹自身が名づけたものではなく、『知的生産の技術』の出版以降に第三者によって名づけられたものであると言われています。梅棹や彼の仲間たちは当初からB6カードと呼んでいたようです。

脚注と参考文献

このカードの発展をたどるための参考文献には、梅棹忠夫の『知的生産の技術』や藤本ますみの『知的生産者たちの現場』が含まれます。これらの著作は、情報整理や知的生産の手法を学ぶ上で非常に有益です。また、「知的生産の技術」研究会が編纂した一連の書籍も、情報カードの利用法を深めるための良いリソースとなっています。

このように、京大式カードは研究者にとって欠かせないツールとして、情報整理の新たな可能性を切り開いてきました。

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