京山ロープウェー遊園

京山ロープウェー遊園について

京山ロープウェー遊園（きょうやまロープウェーゆうえん）は、かつて岡山市北区京山に存在した遊園地で、岡山電気軌道が運営していました。1956年に設立され、当初はロープウェイや展望施設で多くの人々に親しまれましたが、様々な要因から閉園を迎えることとなりました。

概要

この遊園地は、岡山電気軌道が出資して設立された岡山観光索道株式会社が運営開始したもので、1956年に展望施設「京山八方閣」が山頂にオープンしました。京山山頂は標高80メートルで、アトラクションとしてのロープウェイ（京山ロープウェー）も同時に運行を開始しました。ロープウェイの延長は160メートルで、観光客に美しい景観を提供しました。

「京山八方閣」は、地元の名所の一つで、上階には回転式の展望室が設けられ、訪れた人々は絶景を楽しむことができました。また、1959年には特別展示や催しを行う施設も開設され、とても賑やかでした。

施設の変遷

1964年、岡山観光索道は「岡山ファミリーランド株式会社」に商号を変更し、遊園地全体を「岡山ファミリーランド」と名付けました。さらに、展望施設は「京山タワー」と改名され、新しい木造の駅舎や切符売り場が設置されるなどのリニューアルが行われました。その中で、土曜日限定の「お化け屋敷」も人気を集めることになります。

1970年代後半には徐々に入場者数が減少し、1982年には岡山電気軌道に吸収合併されて「京山ロープウェー遊園」に改称されました。その後、岡山電気軌道は約1億5000万円を投じて新しい大型遊具を導入しましたが、入場者数は一時期盛り返したものの、1990年代には再び減少の一途をたどります。また、県外の大型遊園地の誕生などが影響し、1997年度の入場者数は約2万7000人にまで落ち込むこととなりました。

閉園の決定

1998年には岡山電気軌道が遊園地事業からの撤退を決定し、同年9月6日に閉園しました。その後、1999年7月にはサンヨープレジャーという会社が運営を引き継ぎ、「岡山スカイガーデン」として再開されましたが、老朽化や駐車場不足のため、2007年に再度閉園の運びとなるのです。

現在の状況

その後、岡山電気軌道は親会社である両備ホールディングスとともに、遊園地の用地を活用して新たな事業を展開しました。2011年2月には、山頂に集光型の太陽光発電システムを設置し、旧京山タワーを植物工場「京山ラボ・パーク」に転用しました。そして、一般向けの登山道も設けられ、多くの人々が自由に山頂を訪れることができるようになりました。

ロープウェイの仕様

京山ロープウェーは全長160メートル、高低差58メートルで、22度の急勾配を持ち、支柱なしで運行されていました。東京索道が設計・施工したこのロープウェイは、2台の搬器が同時に運行し、すれ違う方式で設計されています。特に、初代の搬器は1956年に東京索道によって製造され、1976年には新しい搬器に更新されました。2007年までの運行期間中に累計850万人を輸送しましたが、最終的に遊園地とともに運行は休止されました。

遊園地の歴史は多くの人々にとって懐かしい思い出となり、地域の観光資源としての役割を果たしていましたが、さまざまな環境の変化により、その幕を閉じることとなりました。

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