京樂真帆子

京樂真帆子（きょうらく まほこ、1962年 - ）は、日本の歴史学者であり、特に平安京の都市社会史に関する研究で知られています。文学博士の学位を持ち、現在は滋賀県立大学人間文化学部教授として教鞭を執っています。

兵庫県に生まれ、京都教育大学附属高等学校を経て京都大学に進学。経済学部に入学後、文学部に転じ、1986年に国史学科を卒業しました。その後、奈良女子大学大学院文学研究科修士課程を1989年に修了。京都大学大学院文学研究科史学博士課程に進み、1992年に満期退学。1995年、「平安京都市社会史の研究」で文学博士号を取得しました。

研究者としてのキャリアは、1996年に茨城大学助教授として始まりました。2001年に滋賀県立大学人間文化学部助教授に着任、2007年に准教授、2009年に教授へと昇任しました。

京樂真帆子の研究は、平安京という古代都市を舞台に、都市文化史、ジェンダー史、交通史といった多様な視点から社会構造や人々の生活を解明しようとするものです。著書には、博士論文を基にした『平安京都市社会史の研究』（塙書房、2008年）の他、ベトナム戦争における女性兵士の顕彰を扱った『英雄になった母親戦士 ベトナム戦争と戦後顕彰』（有志舎、2014年）、平安時代の貴族社会における乗り物文化に焦点を当てた『牛車で行こう！平安貴族と乗り物文化』（吉川弘文館、2017年）があります。

これらの著作から、京樂真帆子の研究関心が、単なる歴史的事実の記述に留まらず、社会における文化やジェンダーの問題、人々の生活様式といった、より広範なテーマに及んでいることがわかります。特に、『牛車で行こう！』では、当時の貴族の移動手段であった牛車を通じて、彼らの生活や文化、価値観を生き生きと描き出しており、歴史研究の面白さを一般読者にも伝えています。

京樂真帆子は、研究者としてだけでなく、教育者としても多くの学生を指導し、後進の育成に尽力しています。また、学会や研究会での発表、講演会などを通じて、研究成果を広く社会に還元しています。その学術的な貢献は高く評価されており、今後の研究活動にも期待が寄せられています。

主な研究テーマ
都市文化史
ジェンダー史
* 交通史

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