京王サヤ912形貨車

京王サヤ912形貨車は、2015年に京王電鉄が導入した事業用貨車です。それまで使用されていたチキ290形の老朽化に伴い、地下駅への電気設備輸送を目的として新たに製造されました。京王電鉄においては初の無蓋貨車となります。

特徴

構造:
台枠は軟鋼製で、床板は腐食を防ぐためにステンレス製の縞鋼板が採用されています。これにより、耐久性が向上し、長期間にわたる使用に耐えることができます。
プラットホームにいる旅客が誤って乗車しないよう、側部には柵が設置されています。この柵は、点検時や物品搬入時に取り外し可能な構造となっています。これにより、作業効率が向上し、安全に作業を行うことができます。
デザイン:
先頭車と同様に、視認性を高めるために黄色に塗装されています。これにより、作業員や他の車両からの視認性が向上し、安全性が確保されます。
運用:
デヤ901・902形電気検測車およびクヤ911形 контроллер と連結して使用されます。これにより、電気設備の輸送だけでなく、検測作業も効率的に行うことができます。

詳細

サヤ912形は、京王電鉄の事業用車両として、重要な役割を担っています。無蓋貨車という特徴を活かし、地下駅への電気設備輸送を安全かつ効率的に行うために、様々な工夫が凝らされています。例えば、ステンレス製の床板は、腐食に強く、長期間にわたって使用することができます。また、側部の柵は、旅客の誤乗を防止するだけでなく、点検時や物品搬入時の安全性も確保します。さらに、黄色の車体は、視認性を高め、事故を防止する効果があります。

サヤ912形は、デヤ901・902形およびクヤ911形と連結して使用されることで、その機能を発揮します。これらの車両と連携することで、電気設備の輸送だけでなく、検測作業も行うことができます。これにより、京王電鉄の安全運行を支える重要な役割を担っています。

参考文献

『鉄道ピクトリアル』通巻923号「鉄道車両年鑑2016年版」（2016年10月・電気車研究会）
岸上 明彦「2015年度民鉄車両動向」 pp. 93-123
京王電鉄（株）鉄道事業本部車両電気部車両計画改良担当 奥 雅希「京王電鉄 デヤ901形・デヤ902形」 pp. 137-138
「民鉄車両諸元表」 pp. 193-198
「車両データ 2015年度民鉄車両」 pp. 215-227
「製品紹介 京王電鉄 事業用車両 デヤ901・902形，サヤ912形」 p.103

外部リンク

総合車両製作所『総合車両製作所技報』第5号（2016年12月）製品紹介「京王電鉄　事業用車両　デヤ901・902形、サヤ912形」 (PDF) （pp.102 - 107）

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