京都ステーションホテル

京都ステーションホテルの歴史と特徴

京都ステーションホテルは、かつて京都駅の北側に位置した歴史的なホテルです。このホテルは、京都センチュリーホテルの前身であり、1928年に開業しました。京都駅の利便性を活かして、当時の京都で需要が高まっていたビジネスホテルとしての性格を持っていました。そのため、エレガントさだけではなく、実用性も兼ね備えた宿泊施設として、多くのビジネス客に支持されました。

日本におけるホテルの歴史

日本初の本格的なホテルは1869年に開業した横浜ホテルですが、京都における本格的な宿泊施設の開設は、京都駅周辺の発展とも深く結びついています。明治時代には外資系の宿泊施設が少しずつ増えていき、特に外国人宿泊者の需要が高まる中、1881年には也阿弥ホテルが開業しました。これに続いて1890年に常盤ホテルが開業し、京都のホテル業界が次第に発展を遂げていきました。

京都ステーションホテルの開業と競合

1920年代に入ると、京都市は京都駅前のホテルの建設について検討を開始しました。そして1928年、京都ステーションホテルが正式にオープンし、この地域において京都ホテルや都ホテルと競合することになりました。開業当初、ホテルの客室数は75室で、1人部屋が12室、2人部屋が63室という構成でした。開業にともない、周辺地域も観光案内所や郵便局などが次々と整備され、駅前は賑わいを見せました。

経営の独立と運営内容

1929年には、京都ステーションホテルは京都ホテルから独立し、初代社長に竹上藤次郎が就任しました。この頃には観光業が盛んになり、ホテルの需要も高まっていましたが、同時に鉄道省による新たなホテル建設計画に対して、既存のホテルの経営者たちは反対の声を上げ、計画は立ち消えとなりました。結果として、京都ステーションホテルは競争が激しい市場での高い顧客満足度を維持し、平成時代に突入するまで営業を続けることができました。

戦争とその後

第二次世界大戦中、京都は戦火を免れましたが、戦後、京都ステーションホテルは連合国軍に接収され、司令部宿舎として使われました。1952年6月には接収が解除され、改めて民間ホテルとして運営が再開されます。この時期、京都には数軒のホテルが存在しており、競争が続いていました。

閉業の背景

1980年代初頭、京都駅周辺では再びホテル建設ラッシュが起こり、競争が激化しました。そして1981年、京都ステーションホテルの近くに新たなホテル、京都センチュリーホテルが設立されました。この時期の競争に対抗できなかった京都ステーションホテルは、1984年に閉業を余儀なくされます。その後、かつてのホテルがあった場所には新しいビルが立ち、ホテルの姿は消えてしまいました。

まとめ

京都ステーションホテルは、その歴史の中で多くの外国人観光客やビジネスユーザーに愛されてきました。開業から閉業までの間に、さまざまな変遷を経ながら、京の土地における重要な宿泊施設としての役割を果たしました。現在では、その跡地に新しい商業施設が立てられていますが、京都のホテル史における重要な一部として記憶されています。

もう一度検索