京都大学3.8m望遠鏡

京都大学3.8m望遠鏡（愛称：せいめい望遠鏡）は、岡山県小田郡矢掛町に位置する京都大学理学研究科附属天文台が運用する、光学赤外線望遠鏡です。国立天文台岡山天体物理観測所の敷地内に設置され、東アジア最大級の規模を誇ります。

概要

せいめい望遠鏡は、可視光から近赤外線領域をカバーし、30光年先の太陽系外惑星の観測を可能にします。高さ8m、重量20トンという巨体を持ちながら、鉄製フレームの採用などにより軽量化が図られています。その結果、ガンマ線バーストのような突発的な天文現象が発生した場合でも、約1分で焦点を合わせるという、優れた追従性能を実現しています。

特徴

主鏡には、直径3.8mの18枚合成鏡が使用された反射望遠鏡です。主鏡の素材にはガラスセラミックスが用いられ、日本初の分割鏡方式が採用されています。この主鏡は、京大が中心となって設計・組み立てが行われました。開発費は外注した場合の半分以下となる約15億円に抑えられています。主鏡の削り出し装置をはじめとする関連機器・システムの開発・製作には、ナガセインテグレックスや名古屋大学などが協力しています。

開発

京大理学部OBで、ブロードバンドタワー会長兼社長の藤原洋氏からの6億円の寄付も、建設を後押ししました。望遠鏡の愛称は、2017年10月から12月にかけて公募が行われ、安倍晴明にちなんだ「せいめい」が選ばれました。古来より天文学に通じた晴明の名を冠することで、宇宙の神秘に迫るという決意が込められています。

せいめい望遠鏡は、その高い性能と、関係者の尽力によって、今後の天文学研究に大きく貢献することが期待されています。突発天体現象の観測や太陽系外惑星の探査など、様々な分野での活躍が期待されています。

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