京都市西京極総合運動公園

京都市西京極総合運動公園（きょうとし にしきょうごく そうごううんどうこうえん）は、京都府京都市右京区西京極の地に広がる、市民のための総合的な運動公園です。総面積約19.1ヘクタールという広大な敷地には、多種多様なスポーツ施設が整備され、市民の健康増進や競技スポーツの発展に重要な役割を果たしています。

概要と敷地構成

園内には、本格的な陸上競技場兼球技場をはじめ、補助競技場、野球場、夏季はプール、冬季はアイススケートリンクとして利用できる施設、体育館、アーチェリー場、そして憩いの場となる芝生広場「緑の丘」などが設けられています。

公園の敷地は、園内を縦断する阪急京都本線の線路によって、南北の二つのエリアに分かれています。線路の北側ゾーンには、陸上競技場兼球技場、補助競技場、野球場、体育館といった主要な競技・屋内運動施設が集中しています。一方、線路の南側ゾーンには、多目的利用が可能なプール兼アイススケートリンク、アーチェリー場、そして開放的な芝生広場「緑の丘」が配置されており、用途に応じたゾーニングがなされています。

主要施設

公園内に整備されている主な施設は以下の通りです。

陸上競技場兼球技場: 日本陸上競技連盟の第一種公認を受けている競技場です。全天候舗装の400mトラック（9コース）と、約106m×71mのフィールドを備え、収容人数は20,588人。夜間照明設備としてナイター照明塔6基が設置されています。
補助競技場: 日本陸上競技連盟第三種公認の補助グラウンドです。400mトラック（8コース）を持ち、約200人の観客席があります。
野球場: 両翼100m、中堅117mの広さを有する本格的な野球場です。内野スタンドには13,300人、外野の芝生席には6,700人を収容可能で、合計約20,000人規模の観客を収容できます。ナイター照明設備も完備しています。
プール兼アイススケートリンク: 季節によって用途が変わるユニークな施設です。夏期は水泳場として、冬期はアイススケート場として利用されます。50m×25mのメインプール（10コース、可動床、観客席約2,200席）や、水深5mの飛び込みプールなどがあり、これらは冬期にスケートリンクとなります。その他にサブプール（25m×17m、8コース、可動床）や、子供向けのウォータースライダー付きキッズプールも備わっています。トレーニングルームやフィットネススタジオも併設されています。
体育館: 約2,400平方メートルの広々としたフロアを持ち、各種屋内スポーツやイベントに利用されます。観客席数は2,926席です。
アーチェリー場: アーチェリー競技に特化した施設です。
* 芝生広場「緑の丘」: 広々とした芝生のエリアは、市民の散策やレクリエーションの場として親しまれています。

歴史

西京極総合運動公園の歴史は古く、1930年に東宮（のちの昭和天皇）の成婚を奉祝する記念事業として、「京都市運動場」の名で葛野郡京極村（当時）に建設が始まったのが起源です。太平洋戦争終結後、1945年から1951年にかけては連合国軍に接収された時期がありました。公園が大きく変貌を遂げたのは、1988年に京都で開催された第43回国民体育大会（京都国体）に合わせて行われた大規模な再整備です。1982年から始まった全面的な改修工事を経て、1989年に現在の姿に近い近代的な総合運動公園としてその姿を整えました。

また、1995年には、京都パープルサンガ（現在の京都サンガF.C.）が日本プロサッカーリーグ（Jリーグ）に加盟したことに伴い、陸上競技場兼球技場の観客席などが改修されました。この施設は2019年まで京都サンガF.C.のホームスタジアムとして多くの試合が開催されました。

プール施設は、1982年の全面改修時に一度撤去されていましたが、市民のニーズに応える形で1999年に再建工事が着手され、2002年6月に再びオープンし、現在に至ります。

アクセス

公園へのアクセスは非常に便利です。最も近い鉄道駅は阪急京都本線の西京極駅で、駅から公園まで徒歩約5分という近さです。また、京都市営バスや京都バスの利用も可能で、「西京極運動公園前」や「西京極スポーツセンター前」といったバス停が公園周辺にあり、京都市内各方面からのアクセスが容易となっています。

公園の周辺には、学校法人光華女子学園の京都光華女子大学、京都光華中学校・高等学校、光華小学校など教育施設が集まるエリアがあり、また桂川や天神川といった河川も近くを流れています。長年にわたり京都市民のスポーツ活動やレクリエーションの中心地として重要な役割を担っている施設です。

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