京都市電千本線

千本線の歴史と概要

千本線（せんぼんせん）は、京都市の重要な交通路であった市電の一部であり、その開業は1912年に遡ります。この路線は、千本通から後院通にかけて敷設され、京都の美しい街並みを行き交う重要な役割を果たしていました。

開業の背景

千本線は、明治末期から大正初期にかけて実施された京都市の三大事業の一環として設計されました。この事業には道路の拡張と電気鉄道の設置が含まれており、京都市の発展に寄与することを目的としていました。さらに、昭和初期には都市計画が進行し、路線の延長が行われたことで、さらなる交通の便が向上しました。

路線の特徴

千本線は、四条大宮から北区の紫野までを結び、昭和初期までは大宮線と一体となって千本大宮線として運行されていました。全区間が併用軌道であり、特に壬生車庫前から四条大宮の間では、1932年から1958年まで無軌条線と梅津線との共用が行われていました。

沿革の詳細

千本線の歴史を辿ると、1907年3月6日に京都市会において「道路拡張並電気鉄道敷設事業案」が修正可決されることから始まります。その後、1912年には実際に運行が始まり、初期の運行が行われました。同年には壬生車庫が開設され、その後も徐々に路線が延長されていきました。具体的には、1923年には市会が千本大宮線の延長を決定し、1929年には今出川千本から千本北大路までの延長も実施されています。

1931年には壬生車庫が改築され、無軌条車両の入庫が始まりました。さらに、1940年からは急行運転も導入され、1985年には全線の急行運転が行われるようになりました。しかし、1965年に自動車の併用軌道が全面開放された時期もあり、その後の運行方法や運営が変化していくことになります。

廃止までの経緯

千本線は1972年1月22日に運行の終了が告知され、翌23日に全線が廃止されました。この時、壬生車庫も閉鎖されてしまいました。廃止後は市バスへと転換され、多くの市民が利用していたこの路線は歴史の中に消えていきました。

停留所一覧

千本線に設定されていた主な停留所には、千本北大路、千本十二坊、千本鞍馬口、乾隆校前、千本今出川、西陣京極、千本中立売、千本出水、千本丸太町、出世稲荷前、二条駅前、千本三条、壬生車庫前、四条大宮などがありました。これらの停留所は多くの人々に利用され、京都の街と市電を結ぶ重要な役割を果たしました。

参考文献

千本線の歴史に関する詳細な情報は、いくつかの参考文献に記載されています。その中には『京都市営電気事業沿革誌』や『京都市政史』などがあり、これらは、当時の行政や交通に関連する資料を提供しています。これにより、かつての千本線の役割や利用状況を知る手助けとなっています。

もう一度検索