京都物語

京都物語

「京都物語」とは、原由子が手掛けた楽曲であり、彼女の2作目のベスト・アルバム『ハラッド』に収録されています。この曲は、2010年6月23日に発売されたアルバムの冒頭を飾る、唯一の新曲です。作詞、作曲、編曲は桑田佳祐が担当し、ストリングス・アレンジは原由子が行っています。さらに、2016年からは主要な音楽配信サイトでダウンロードできるようになり、2019年からはストリーミング配信も開始されました。

歌詞の背景

この曲のテーマは、京都です。桑田佳祐は自身が大好きな京都を舞台にした楽曲を作ることを望んでおり、彼は過去の著書でもその思いを表明していました。楽曲には、鴨川や南禅寺、嵐山、河原町といった京都の名所が歌詞に含まれており、さらに四季折々の情景も描写されています。これらのインスピレーションは、桑田が2010年4月に京都を訪れた際に得たものであり、彼はその経験からすぐに作詞に取りかかりました。特に、都をどりの影響を受け、四季の表現を作品に取り入れたことが、自身の言葉で語られています。

制作と音楽性

「京都物語」は、桑田の得意とする歌謡曲スタイルを採用しており、16ビートのリズムと生音のギターアルペジオが特徴です。この独自のスタイルは、奥村チヨの「終着駅」に触発された部分もあるそうです。また、原由子のこれまでの作品と比べて、フォークギターテイストは新しい試みでした。サウンドに関しては、ビリーバンバンの「さよならをするために」を意識したストリングス・アレンジも見受けられます。

制作過程では、桑田が原に対して特別な歌唱指導を行いました。「直立不動で、時折コブシをまわす」といった具体的な指示があり、原はその指導を忠実に実行しました。また、歌詞の「歌人が愛でたは」の部分では、京都弁を意識した歌い方を行ったと述べています。この曲ではキーボードは使用せず、ハンドマイクをもって歌唱するスタイルが特徴的です。

プロモーション活動

「京都物語」は、テレビの音楽番組でも披露されました。例えば、2010年6月11日には『ミュージックステーション』でパフォーマンスを行い、その後もいくつかの番組で歌われました。特にA-StudioやMusic Loversといった番組では、他の楽曲と共に披露され、多くのファンの目に留まりました。

評価と反響

原由子は、過去に女友達と共に京都を訪れたことがあるため、曲に描かれた内容に対して深い共感を抱いていました。また、ミュージック・ビデオは京都で撮影され、俳優の結城貴史が出演し、祇園や嵐山などの美しい風景が映し出されています。この映像は、美しい季節感と日本の情緒が漂う内容で、CDジャーナルでは短編映画のような出来栄えと評されています。

「京都物語」は、原由子の才能が存分に発揮された楽曲であり、桑田佳祐とのコラボレーションも素晴らしい結果を生み出しました。この曲は、京都の魅力を感じさせる作品として、多くのリスナーに親しまれています。

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