京阪電気鉄道のダイヤ改正

京阪電気鉄道ダイヤ改正の歴史

本稿では、京阪電気鉄道（京阪）の鉄道線におけるダイヤ改正の歴史を、京阪線系統と大津線系統に分けて解説します。京阪特急の歴史にも関連する内容が含まれますので、合わせて参照ください。2000年以降については、プレスリリースの表記に則って記述します。

京阪線系統のダイヤ改正

1910年代

1910年4月15日、京阪線の天満橋駅～五条駅間が開通しました。当時の所要時間は100分でした。1913年6月1日には宇治線が開通。1914年5月15日には、天満橋～五条駅間で日本の私鉄として初めて急行運転が開始され、所要時間は60分に短縮されました。1915年10月27日には、五条～三条駅間が開通。1916年4月1日には、従来の急行を最急行に改称し、主要駅停車の急行を新設。天満橋～三条間の所要時間は、最急行が60分、急行が70分となりました。同年8月1日には、急行を20分間隔に増発し、最急行は廃止されました。

1920～1940年代

1929年10月11日、天満橋～三条間の所要時間が短縮されました。急行は70分から63分、普通は80分から76分となりました。1934年3月1日には、前年の蒲生信号所～守口駅間複々線化完成に伴い、急行の所要時間が55分に短縮。同年6月1日には、蒲生駅（現：京橋駅）が急行停車駅となりました。1945年12月21日、丹波橋駅を介して奈良電気鉄道（現在の近鉄京都線）との直通運転が開始されました。1947年4月1日からは、相互直通運転が開始されました。1947年2月15日には急行運転が復活し、1949年8月1日には朝夕ラッシュ時は15分間隔、昼間時は20分間隔となり、所要時間は65分となりました。

1950～1960年代

1950年7月1日、京阪神急行電鉄からの分離発足後初めてのダイヤ改正が行われ、急行の所要時間が59分に短縮。同年9月1日には特急が新設され、所要時間は53分となりました。1951年4月2日には特急の終日運転が開始されました。1952年5月1日には、特急は夕ラッシュ時20分間隔、昼間時30分間隔となり、所要時間は48分に短縮。急行は終日20分間隔となりました。1953年5月10日には、特急が終日20分間隔となり、1956年3月21日には特急の5両運転を開始し、所要時間は42分に短縮されました。1961年12月21日には、急行の6両運転が開始されました。1963年3月17日には、翌月の淀屋橋地下延長線開業を控えてダイヤ改正を実施し、特急の運転時間帯を拡大、特急の6両運転を開始しました。1963年4月16日には淀屋橋駅～天満橋駅間が開業し、都心乗り入れを果たしました。淀屋橋～三条間の所要時間は特急が45分、急行が62分となりました。1967年3月30日には、ATS導入に伴い、特急と急行の運転時分を変更しました。また、近鉄京都線との相互直通運転を廃止しました。

1970年代以降

1970年代以降は、高架複々線化や駅改良工事の完成に伴うダイヤ改正が繰り返し行われました。15分ヘッド化、列車の増発、種別変更などが実施され、利用者の利便性向上に努められました。1980年代には土曜ダイヤが導入され、平日・土曜・休日ダイヤの完全分離が実施されました。1990年代には枚方市駅付近の高架化や交野線全線複線化に伴うダイヤ改正が行われました。2000年代以降は、中之島線開業や利用状況の変化を踏まえたダイヤ改正が実施され、特急停車駅の変更、列車種別の見直しなどが行われました。2010年代には、淀駅付近連続立体交差事業の進捗に伴い、ダイヤの一部変更が行われました。有料座席指定特別車両「プレミアムカー」や全車両座席指定「ライナー」列車の導入も大きな変化です。2020年代には、新型コロナウイルスの影響による社会状況の変化を踏まえたダイヤ改正が実施されました。最新の2023年8月26日のダイヤ改正では、「ライナー」列車の増発や停車駅変更など、更なる着席サービスの拡充が図られました。

大津線系統のダイヤ改正

1930年代～1970年代

1934年4月17日、京津線で急行運転が開始されました。1957年3月20日には浜大津駅（現・びわ湖浜大津駅）改良工事が完成し、三条駅～石山寺駅間直通の急行を終日運転開始。1960年代には日中の運行が15分サイクルから20分サイクルに変更されました。1971年8月15日には京阪本線と同時にダイヤ改正を実施。日中は基本15分サイクルに戻り、全ての列車が2両編成化されました。京津線に準急が新設されました。

1980年代～2020年代

1980年代には浜大津駅の統合・新設工事により、三条駅～石山寺駅間の直通列車が廃止され、列車種別が準急・普通の2種類に整理されました。1997年10月12日には京都市営地下鉄東西線との直通運転開始に伴いダイヤ改正が行われ、京津線に800系車両を投入し、地下鉄東西線・京都市役所前駅まで乗り入れました。2000年代には京津線、石山坂本線でワンマン運転が開始されました。2008年1月7日には京都市営地下鉄東西線・二条駅～太秦天神川駅間延伸開業に伴い、京津線が太秦天神川駅まで乗り入れを開始しました。2010年代には、駅名変更や運転本数の見直しなどが行われました。2020年代には、新型コロナウイルス感染症の影響による社会状況の変化を踏まえ、ダイヤ改正が行われました。

参考文献

京阪電気鉄道『京阪　百年のあゆみ』2011年
京阪電気鉄道『京阪　百年のあゆみ[資料編]』2011年

もう一度検索