人形芝居 (漫画)

人形芝居

『人形芝居』（にんぎょうしばい）は、高尾滋による漫画作品。

概要

舞台は28XX年。双子の人形師、嵐と静が創り出す子型機械人形（通称：ドール）と、ドールと接する人々が織り成す、ネオ・ヒューマンドラマ。
1996年から『花とゆめ』（白泉社）や『別冊花とゆめ』（同社）に不定期に掲載。コミックスは「花とゆめCOMICS」より刊行されており、2018年6月時点で既刊4巻。

用語解説

子型機械人形（チャイルドタイプアンドロイド）
豊かな喜怒哀楽を兼ね備えた子供型アンドロイド。通称『ドール』。
一家一子制度による一人っ子や、身寄りのない高齢者、外部との交流が難しい病人の話し相手として、共に生活するために生み出される。
人形館（ドールハウス）
西東京砂漠の中心に建つ、双子の人形師（嵐・静）が住む館。
ドールが生まれ、眠りに就く場所。
ここで生まれるドールは、高い順応性と学習機能（AI）を持ち、育った環境によって性格や言語が変化する。
人形師人形（マスターアンドロイド）
子型機械人形を生み出す人形師。
笛の音
ドールの目覚めと眠りの時に、嵐と静が奏でる特別な笛の音。
メロディにはICが組み込まれており、（嵐＝起動プログラム、静＝停止プログラム）の役割を果たす。
ドールは笛の音に合わせて目を覚まし、眠りに就く。その様子は「幻想・魔術を見ている様」と称される。
人外類皆兄弟プロジェクト
27XX年、京都国立研究所で進められていた「心を持つロボット」の製作計画。

登場人物

嵐（あらし）
双子の人形師人形の一人で、生の笛を吹く担当。
金髪美人で、着物の合わせは左前。
力仕事が得意で、機械は苦手。家事全般（料理、掃除、裁縫など）が得意。
感情表現が豊かで、調査などで外出することが多い。
静と人形師人形になる前は、加賀田博士と暮らしていた。
『人外類皆兄弟プロジェクト』の第一期試作品（ファーストプロトタイプ）。
静（しずか）
双子の人形師人形の一人で、死の笛を吹く担当。
黒髪黒目で、着物の合わせは右前。
ドールの作製やメンテナンスを担当。
本の虫で家事は苦手（散らかし専門だが、書庫の整理は得意）。
生まれた頃は三波博士に振り回されて怒ってばかりいたが、嵐と人形師人形になってからは落ち着いた様子。
『人外類皆兄弟プロジェクト』の第二試作品。
三波颯之助（みなみそうのすけ）
『人外類皆兄弟プロジェクト』の立案者で、静誕生後の同居人。
金の稲穂と称される長い金髪を三つ編みにしている。
料理と手芸が得意で、研究所員に手料理や手芸品を振る舞っていた。
嵐のキャラクターモデルとなった人物。
加賀田青子（かがたせいこ）
『人外類皆兄弟プロジェクト』の共同指揮者で、三波博士の元恋人。
物語に登場した時点では研究所を辞めており、嵐と共に引っ越していた。
物静かで真面目な才女だが、家事は苦手。
静のキャラクターモデルとなった人物。

各話の登場人物

各話の主役は、人間とドール（子型機械人形）。各話に登場する主役とドールの一部を以下に記載。

第1話：主役 緑（ミドリ）、ドール ヒロ
第2話：主役 里流（サトル）、ドール 里流（リル）
第3話：主役 力（ツトム）、ドール 峯岐
第4話：主役 リエ、ドール 散音（チルネ）／健一郎（庭師のドール）
第5話：主役 光良（テルヨシ）、ドール 明兎（ミント）
第6話：静の過去の話。主役 静、ロボット RX－マークIIベンツ（静作）。その他 三波颯之助、ぴんく・れもん・みかん（研究所員）
第7話：嵐の過去の話。主役 柚喜杏子（ユズキアンズ）、ドール 嵐。その他 波自（ハジ／杏子の従兄弟）、加賀田青子
第8話：主役 榧（カヤ）、ドール アキ（司のドール）。その他 滝沢司
第9話：主役 大和（ヤマト）、ドール マリア（亡くなった奥様のドール）
第10話：主役 桃香（モモカ）、ドール 史（フミ）
第11話：主役 マリー、ドール パースレイン（マリーのドール）／ハーツィーズ（アーサーのドール）。その他　アーサー
第12話：主役 ルビィ、ドール フィオ（ルビィのドール・ルビィの父王の配慮で姉妹として育つ）。その他 アンリ王子（ルビィの許婚・隣国の王位継承者）、ルビィの母親、アンリ王子の侍従
第13話：主役 麗玲（れいれい）、ドール トマ（ラギのドール）。その他 ラギ（故人・CEO）、カジカ、笠置（かさぎ）、サーム
第14話：主役 バートラム、ドール アビゲール（母親と共に事故死したビートのドール）。その他 ビート（バートラムの息子）、バートラムの元妻、元妻の父親

既刊一覧

高尾滋『人形芝居』白泉社〈花とゆめコミックス〉既刊4巻
1998年10月19日初版刊行 ISBN 4-592-17709-6
1999年7月19日初版刊行 ISBN 4-592-17332-5
2008年9月19日初版刊行 ISBN 978-4-592-17870-5
2018年6月20日初版刊行 ISBN 978-4-592-21480-9

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