人数の町

映画『人数の町』

『人数の町』（にんずうのまち）は、2020年9月4日に公開された日本の映画で、監督は荒木伸二、主演は中村倫也です。この作品は、衣食住が保証された奇妙な「町」を舞台にしており、そこでの人々の生活と心の動きを描いたディストピアミステリの要素を持っています。リモート舞台あいさつは公開翌日の9月5日に、東京・六本木のキノフィルムズで行われ、劇場では生中継されました。

制作背景

本作は、荒木監督が2017年に受賞した第1回木下グループ新人監督賞の準グランプリをもとに映画化されたもので、荒木にとっては初めての長編映画となります。彼は映画の着想について、ひとの存在が「人数」に変わることに対する恐怖を語っています。「名前を持たない人々が集団の一部になっていく様子は非常に怖い」と感じており、その思いは幼少期から持ち続けてきたとのことです。特に、現代のSNS文化における「いいね」の数や、多数決への嫌悪感から、個人の存在が薄れていく現実に対して警鐘を鳴らす作品となっています。

あらすじ

作中では、登場人物たちが不思議な町での生活を通じて、自由と束縛、そして人間としての本質について向き合う姿が描かれています。町の環境は、表面的には楽しい生活を提供しますが、実際にはその背後に潜む恐ろしい真実が徐々に明らかになっていく様子が緊迫感を持って描かれています。主人公・蒼山哲也（中村倫也）は、この世界に引き込まれた人々の一人であり、彼の葛藤と成長が物語の中心に据えられています。

キャストとスタッフ

• - キャスト

- 蒼山哲也：中村倫也
- 木村紅子：石橋静河
- 末永緑：立花恵理
- その他のキャスト：橋野純平、植村宏司、菅野莉央、松浦祐也、草野イニ、川村紗也、柳英里紗、ポール：山中聡

• - スタッフ

- 脚本・監督：荒木伸二
- 音楽：渡邊琢磨
- 製作総指揮：木下直哉
- エグゼクティブプロデューサー：武部由実子
- プロデューサー：菅野和佳奈、関友彦
- 撮影：四宮秀俊
- 編集：長瀬万里
- 制作：コギトワークス
- 配給：キノフィルムズ

受賞歴

この映画は、第42回ヨコハマ[[映画祭]]（2020年度）において、撮影賞を受賞しました。撮影を担当した四宮秀俊は、他の作品と共に評価される形で表彰されています。

『人数の町』は、臨場感溢れる映像表現と緻密なストーリー構成で観客を引き込み、現代に生きる私たちに人間性を問いかける作品となっております。

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