人文地理学会

一般社団法人人文地理学会の概要

一般社団法人人文地理学会（The Human Geographical Society of Japan）は、日本における人文地理学の研究を主に扱う学術団体で、1948年に設立されました。本会の本部は、京都市に位置しています。2011年9月30日現在の会員数は1394名であり、学術的な交流や研究発展を目的に活動しています。

設立の背景と歴史

この学会は、第二次世界大戦後、東京都以外で初めて設立された地方地理学会の一つです。1946年に西日本地理学会が設立されましたが、機関誌を持たず、会員間の意見交換が主な機能でした。その後、教育制度の改革に伴い社会科に人文地理が導入され、人文地理学への関心が高まりました。このため西日本地理学会は発展的に解消され、1948年に人文地理学会が創立されました。最初の会員数は約200名でした。

同年6月には、機関誌『人文地理』が創刊され、人文地理学の発展と一般大衆への普及を目指しました。しかしながら、財政面での困難から一時的に運営が不安定になる時期もありましたが、文部省からの助成を受けることで財政基盤の安定が図られました。1948年11月15日には、第1回学術大会が京都大学で行われ、以来、他学会との共催による大会も開催しています。

1968年には会員が1500人を超え、大学闘争の影響で学会事務所の運営に苦慮することもありましたが、1985年に現在のビルに移転し、運営の基盤を強化しました。1998年には創立50周年を迎え、記念式典も実施されました。2014年には一般社団法人への移行が認められました。

運営組織と役員

学会の運営は、選出された役員によって行われています。2020年の時点での役員は以下の通りです。

• - 会長: 野間晴雄
• - 常任理事: 小島泰雄、福田珠己、島津俊之、香川貴志、松田隆典
• - 理事: 20名
• - 監事: 出田和久、伊東理

各委員会も設けられており、様々な分野の活動を推進しています。委員会は庶務、会計、編集、集会、企画、広報などで構成されています。

機関誌『人文地理』

人文地理学会の重要な刊行物である『人文地理』は、学会が設立された1948年から刊行されています。全体では「論説」、「展望」、「研究ノート」、「文献解題」という形で構成され、年に一度は「学界展望」も掲載しています。若手研究者が多く投稿する一方、中堅以上の研究者の投稿が少ない点や、国際的評価が低いことが課題として指摘されています。

地理学文献目録

人文地理学会はまた、『地理学文献目録』という地理学に関する文献をまとめたデータベースも運営していましたが、2010年にはその発行を断念しました。代わりに『人文地理学事典』の刊行が進められています。

結論

一般社団法人人文地理学会は、日本における人文地理学の発展において重要な役割を果たしてきました。多様な活動を通じて、学術的な交流だけでなく一般大衆への知識普及にも貢献しています。今後の活動に注目が集まっている団体です。

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