什器

什器とは

什器（じゅうき）という言葉は、仏教における什物（じゅうもつ）にそのルーツを持ちます。寺院で僧侶が使用する様々な器具や日用品、生活用品を指す言葉でした。「什」は数字の「10」を意味し、「聚」は集まるという意味を持ちます。これらのことから、什器とは一つ二つではなく、多くのものが集まった雑多な道具類を指す言葉として使われ始めました。中国の宋代、禅宗寺院で使われ始めたこの言葉は、後に「什器」という言葉に変化し、一般の生活で使われる道具、特に食器や家具を指すようになりました。

店舗什器とは

店舗什器（てんぽじゅうき）は、店舗で使用される業務用の器材全般を指します。商品を陳列したり、カタログを設置したり、情報を掲示するために使われる、様々な種類の道具や器具が含まれます。例えば、ラックやショーケース、テーブルなどの大型のものから、アクリルボックスや商品ディスプレイのような小型のものまで、多岐にわたります。

店舗什器の材質は、金属、プラスチック、紙など様々で、使用目的によって適切な材質が選ばれます。安全性や耐久性も重要な要素として考慮され、店舗のコンセプトや商品に合わせてデザインされることもあります。これらの什器は、専門店で購入できるほか、メーカーからPOP広告を兼ねた専用のものが提供されることもあります。デモンストレーションやキャンペーンなどで利用されることも多く、商品の魅力を引き出すために重要な役割を果たします。

近年では、イベントなどで短期間だけ使用するニーズも高まっており、什器をレンタルする人が増えています。また、店舗のディスプレイ全体を総合的に手掛ける会社も存在し、店舗の個性を演出する上で重要な役割を果たしています。

店舗什器の例

店舗什器には、以下のようなものが挙げられます。

陳列台
ラック
シェルフ
ショーケース
ゴンドラ
ネットパネル
平台
カート
ワゴン
ステージ
バスケットワゴン
スタンド
イーゼル
ハンガー
テーブル
カウンター
アクリルボックス
商品ディスプレイ
カタログスタンド
アンケートボックス

これらの什器は、店舗の規模や扱う商品によって使い分けられます。適切な什器を選ぶことで、商品の見栄えが良くなり、顧客の購買意欲を高める効果が期待できます。

産業の帰属と分類

日本の総務省においては、店舗什器という専門の産業分野はまだ認定されていません。例えば、大手店舗什器メーカーである株式会社オカムラは、「商環境事業」という分野で分類されています。これは、店舗什器が単なる道具ではなく、店舗全体の環境を構成する重要な要素として捉えられていることを示しています。そのため、什器の設計、製造、販売だけでなく、店舗全体のデザインや空間プロデュースに関わる企業も増えています。

店舗什器は、商品の魅力を最大限に引き出し、店舗のブランドイメージを形成する上で欠かせない要素です。今後、店舗什器の重要性はますます高まっていくと考えられます。

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