仁壽生命保険

仁壽生命保険株式会社は、かつて日本に存在した生命保険会社です。その設立から消滅までの歴史を紐解きます。

設立と初期の歩み

1894年（明治27年）9月28日、仁壽生命保険は合資会社として産声を上げました。設立の中心となったのは、鐘淵紡績（鐘紡）の社長であり、三井銀行の重役も務めていた西邑虎四郎、同じく三井銀行重役の三野村利助、そして近江長浜の豪商であり初代貴族院議員でもあった下郷傳平らでした。当時の本店所在地は、東京市京橋区南紺屋町に置かれました。

株式会社への改組と本店の移転

設立から20年後の1915年（大正4年）12月、仁壽生命保険は株式会社組織へと改組されました。そして、1929年（昭和4年）6月には、新たな本店ビルが京橋区南紺屋町麹町区内幸町に竣工しました。この本店ビルの設計を手掛けたのは、建築家の関根要太郎でした。本店ビルには、仁壽生命講堂（通称：仁壽講堂）も併設され、文化的な活動の拠点ともなりました。

合併と消滅

1940年（昭和15年）10月7日、仁壽生命保険は野村生命保険株式会社と合併し、その歴史に幕を閉じました。短い期間ではありましたが、日本の保険業界に一定の足跡を残しました。

仁壽講堂について

仁壽生命保険の本店ビルに併設されていた仁壽講堂は、当時としては珍しい本格的な講堂であり、様々な講演会や文化イベントが開催されました。その美しい内装と優れた音響設備は、多くの人々を魅了しました。現在、講堂は閉鎖されていますが、その歴史的な価値は高く評価されています。

参考資料

* KMC History：ホール情報：仁寿講堂

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