今井善一郎

今井善一郎について

今井善一郎（いまい ぜんいちろう）は、1909年10月8日に群馬県勢多郡北橘村で生まれ、1976年1月10日に没した民俗学者です。彼は地域の歴史や文化に深い関心を持ち、民俗学の発展に寄与した人物として知られています。

幼少期と教育

今井は、農林業を営む家の長男として育ち、家族は質屋も経営していました。彼の祖父は北橘村の村長を務めた名家で、彼もまたその伝統を受け継ぐこととなりました。1916年に橘尋常高等小学校に入学し、その後、1922年には前橋中学校に進学。1927年には同校を卒業し、慶應義塾大学（予科）へ進みました。

学問と家業

1933年に慶應義塾大学法学部を卒業した後、家業を継いだ今井は、同年橘太郎の名で「北橘村郷土かるた」とその解説書を作成しました。この頃、彼の父も村長に就任し、地域社会への貢献が強まりました。その後、1935年には『更生農村』を刊行し、地域の農業に関する知識を広めました。

民俗学への道

今井は民俗学者としての活動を積極的に行い、1936年には群馬県教育委員会の調査に協力し、1939年には「木曽義仲及び其子孫と上野」を執筆しました。1941年には『習俗歳時記 赤城山西南麓農家の年中行事』を刊行し、民俗学の知識が深まる中で、柳田國男からも支援を受けるようになります。

戦後の活動

戦争を挟んでも研究は続け、1946年には上毛民俗の会を設立し、その後の民俗調査に力を入れました。1950年に日本民俗学会の評議員に選ばれ、多くの役職を務めたことからも、地域文化の保護や振興への情熱が伝わります。

文化財保護の活動

1970年代には文化財保護にも力を入れ、群馬県の多くの文化財に関する調査を行いました。1976年には脳出血によりこの世を去るまで、多様な活動を継続し、文化財保護の功績により追贈された勲五等瑞宝章の名誉を受けることとなります。

著書と業績

彼の著書には、『習俗歳時記 赤城山西南麓農家の年中行事』や『行人塚考』、さらには『赤城の神』など多岐に渡る著作があります。また、『今井善一郎著作集』には彼の民俗学的・歴史的な見解が集められ、広く評価されています。

最後に

今井善一郎の人生は、群馬県の文化と歴史を深く掘り下げるためのものであり、彼の努力と情熱は後世に受け継がれるべく、多くの人々に影響を与え続けています。

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