今井康雄

今井 康雄（いまい やすお）について

基本情報

今井康雄は1955年に岐阜県で生まれた日本の著名な教育学者です。現在は日本女子大学人間社会学部の教授として教鞭を執るほか、東京大学の名誉教授でもあります。彼の専門分野は教育哲学であり、教育に関する深い洞察を持っています。

来歴

今井氏は1973年に岐阜県立斐太高等学校を卒業し、その後1977年に広島大学教育学部教育学科を卒業しました。1982年には広島大学大学院教育学研究科の博士課程に進学し、単位を取得後に退学しましたが、1994年には「ヴァルター・ベンヤミンの教育思想 - メディア概念と教育との関係を中心として」というテーマで博士（教育学）の学位を獲得しました。また、彼はドイツのゲッティンゲン大学でクラウス・モレンハウアーに師事し、ハノーファー大学やベルリン自由大学にも留学経験があります。

今井氏は1984年に広島大学教育学部で専任講師として教えるようになり、その後1987年には東京学芸大学に移り、1990年に助教授に昇進しました。1997年には東京都立大学の人文学部助教授として活動し、その後2000年に東京大学の大学院教育学研究科の助教授に就任します。2007年には教授に昇格し、2010年には東京大学教育学部附属中等教育学校の校長を務めました。その後、2013年から日本女子大学人間社会学部で教授としての活動を続け、2016年には東京大学の名誉教授となりました。

業績と著書

今井康雄は多くの著書や論文を執筆しており、特に教育哲学においての貢献が高く評価されています。彼の主な著書には、1998年に出版された『ヴァルター・ベンヤミンの教育思想 メディアのなかの教育』や、2004年の『メディアの教育学―「教育」の再定義のために』があります。また、共編著としては、『教育と政治 戦後教育史を読みなおす』や『子どもたちの想像力を育む アート教育の思想と実践』などが挙げられます。

さらに、彼は『教育思想史』や『キーワード現代の教育学』といった編著も手掛けており、教育学の分野に多大な影響を与えてきました。特に、教育とメディアの関係についての考察は、新しい視点を提供しており、多くの教育研究者に影響を与えています。

翻訳活動

今井氏は教育学に関連する外国文献の翻訳も手がけています。特に、クラウス・モレンハウアーの『忘れられた連関―「教える‐学ぶ」とは何か』の翻訳が代表的です。この本では教育の本質について深く掘り下げており、教育学の理解の幅を広げるものとなっています。彼の翻訳活動は、日本における教育哲学の発展にも寄与しています。

まとめ

今井康雄は日本の教育学界において重要な役割を果たしている研究者であり、彼の功績は専門家だけでなく、教育に関心のある人々にも広く認識されています。彼の教育哲学に対するアプローチは、新たな教育の形を模索する上で非常に価値のある指針となるでしょう。

もう一度検索