今井祐介

今井 祐介（いまい ゆうすけ）は、1974年7月27日に北海道で生まれた元サッカー選手です。ディフェンダー（DF）としてプレーしました。彼のキャリアは、幼少期からの強い海外志向によって特徴づけられます。

北海道で生を受けた後、すぐに東京へ転居した今井氏は、4歳の頃からサッカーに親しみました。世界の舞台で活躍することを夢見ていた彼は、その実現のために早くから準備を進め、中学生になる頃にはスペイン語の学習を開始するなど、将来の海外挑戦に備えました。中学卒業後は東京都立久留米高等学校に進学し、サッカー部に所属しましたが、高校時代に公式戦に出場する機会はありませんでした。その後、大東文化大学に進学しました。

大学在学中の1993年、今井氏は自身の夢を追い求め、ヨーロッパへ渡ります。イタリアのヴェローナやドイツのシュトゥットガルトなど、いくつかのクラブの練習に参加しましたが、この時点ではプロ契約には至りませんでした。しかし、彼の挑戦はここで終わりません。翌1994年、メキシコのプリメーラ・ディビシオンA（当時の2部リーグ相当）に所属するクラブ・ゲレロス・デ・アカプルコと、翌シーズンの契約を締結することに成功しました。そして1995年、大学を休学してメキシコへ渡り、念願だった海外プロサッカー選手としてのキャリアをスタートさせました。ゲレロス・デ・アカプルコでは2年間プレーしました。

メキシコでの経験を積んだ後、今井氏は1997年に一旦日本へ帰国し、大東文化大学に復学しました。大学サッカー部では中心選手として活躍し、チームの東都リーグ1部昇格に貢献しました。大学卒業後の1998年、彼は再び海外でのプレーを選びます。かつてJリーグでも指揮を執ったチェローナ氏が監督を務めるアメリカのUSL3部リーグ、ヒューストン・ハリケーンズに入団しました。しかし、当時のUSL3部リーグはプロリーグとはいえ報酬は非常に安く、今井氏はサッカー選手としての活動と並行して副業をこなさなければならない厳しい生活を送ったといいます。ヒューストンでは3シーズンプレーしました。

ヒューストンでの活動を終えた後も、今井氏の海外挑戦は続きました。2001年にはスロバキアの2部リーグに属するFKラピッド・ブラチスラバへ移籍。その後も、エルサルバドルのMar y Plata（2002年）やグアテマラのチマルテナンゴ（2003年）など、中央アメリカのチームを渡り歩きました。このように、彼はメキシコ、アメリカ、スロバキア、エルサルバドル、グアテマラと、実に多岐にわたる国々のリーグでプレー経験を積みました。

今井氏には、かつて自身の公式ウェブサイトで語ったというユニークなエピソードがあります。それは、「今後はエルサルバドル人に帰化し、2006年のドイツワールドカップにエルサルバドル代表として出場を目指す」というものでした。この大胆な目標からも、彼の海外でのプレー、そして世界の舞台への強いこだわりがうかがえます。

今井祐介氏のキャリアは、日本国内でのキャリアに固執することなく、自らの情熱と努力で世界各国の様々なレベルのリーグに挑戦し続けた、日本人選手としては非常に珍しい軌跡を描いています。

主な所属クラブ:

東京都立久留米高等学校
大東文化大学 (1993年 - 1994年、1997年 - 1998年)
クラブ・ゲレロス・デ・アカプルコ (メキシコ、1995年 - 1996年)
ヒューストン・ハリケーンズ (アメリカ、1998年 - 2000年)
FKラピッド・ブラチスラバ (スロバキア、2001年)
Mar y Plata (エルサルバドル、2002年)
チマルテナンゴ (グアテマラ、2003年)

関連項目:

日本国外のリーグに所属する日本人サッカー選手一覧

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