今切川

今切川について

今切川（いまぎれがわ）は、吉野川水系の一部で、主に徳島県徳島市の北端を流れる一級河川です。この川は、地元の歴史や交通の要所としての重要性を持ち、地域社会に深く根付いた存在です。

地理的特徴

今切川は、徳島県板野郡北島町高房で旧吉野川から分流し、最終的には板野郡松茂町長原で紀伊水道に流れ込んでいます。これは吉野川の下流部に位置する分流の一つです。長い歴史の中で、今切川は川舟交通の重要なルートとして利用されてきました。特に、榎瀬江湖川や鍋川と繋がることにより、徳島と撫養の間での水上交通の要路として機能しました。

1892年から1960年までは、阿波巡航船の定期航路が運行され、長原港から徳島市の両国橋まで、1921年から1958年までの間には定期船も出ていました。このように、川は歴史的に人々の移動において重要な役割を果たしています。さらに、2011年には北島町に「北島町水辺交流プラザ」が開設され、地域住民との交流の場を提供しています。

環境問題

しかし、今切川は環境問題にも直面しています。2008年の秋、特定外来生物として知られるウォーターレタスの異常繁殖が確認されました。2007年にも繁殖が見られましたが、翌年にはその数が急激に増加し、10万平方メートルを超える範囲に渡って河川を覆い尽くす事態となっています。この現象は他の水生植物であるホテイアオイも影響を及ぼしており、今切川における繁殖は現在も続いています。

地元の漁師たちは、1日あたり10トンのウォーターレタスを回収していますが、その数は減少しておらず、この年のシジミ漁は例年の2割程度にまで落ち込むという影響が出ています。これは生態系に悪影響を与えるだけでなく、地域の産業にも深刻な打撃をもたらしています。

支流と利水施設

今切川の支流には、鍋川、本須川（地蔵川）、榎瀬江湖川、宮島江湖川などがあります。また、利水に関連した施設として、三ツ合堰や今切川河口堰（旧吉野川河口堰との一括管理）、今切港が存在し、地域の水の利用状況を支えています。

流域の自治体

今切川の流域には、徳島県とその周辺の板野郡北島町、松茂町、徳島市があります。これらの自治体は、川を介して様々な形で繋がっており、今切川が地域の生活に深く関わっていることが伺えます。

今切川は、交通の歴史や地域の環境問題、そして流域の人々との関わりなど、多くの側面から考察されるべき重要な河川です。

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