今村文男

今村 文男 (いまむら ふみお)

今村文男は1966年11月5日、千葉県柏市で生まれた日本の陸上競技選手で、主に競歩を専門としています。彼は50km競歩と50000m競歩の元日本記録保持者であり、日本陸上競技連盟の競歩ブロック部長を務めています。また、バルセロナオリンピックやシドニーオリンピックの日本代表としても知られ、アジア大会での銀メダルと銅メダルを獲得した実績があります。

学歴と初期のキャリア

柏市立柏中学校、八千代松陰高等学校を経て東洋大学経済学部を卒業しました。大学時代には日本インカレで3位の成績を収め、1998年第13回全日本競歩根上大会の男子30kmで初優勝を達成。卒業後は企業に就職しつつ競技を続けましたが、その企業が倒産したため、アルバイト生活をしながらも競技を続行しました。1991年には富士通に入社し、本格的に競技に励むことになります。

国際舞台での活躍

1991年には、アメリカ・サンノゼで開催されたワールドカップ競歩において50km競歩で日本人初の3時間台となる3時間59分18秒で12位に入賞しました。その後、同年の世界陸上選手権では7位に入り、日本競歩史上初の入賞を果たしました。次に1992年のバルセロナオリンピック、1993年および1995年の世界陸上選手権に代表選手として出場しましたが、望んだ結果は得られませんでした。また、1996年のアトランタオリンピックでは、最終選考会で小坂忠広選手に敗れ、選出の機会を逃しました。

競技におけるブレイクスルー

1997年にはスペインでの合宿に参加し、モスクワオリンピック50km競歩銀メダリストのジョルジ・ロパルトコーチの指導を受けました。この合宿を経て、同年の世界陸上選手権で自己記録を更新し、日本記録となる3時間50分27秒で6位入賞を達成し、日本の競歩の歴史に名を刻みました。翌1998年、日本陸上競技選手権においては3時間49分38秒の記録を打ち立て、日本人初となる3時間50分の壁を超える快挙を成し遂げました。

現役引退後の活動

今村選手は、その後も1999年、2000年、2001年、2003年と世界陸上選手権に日本代表として出場し、7回の出場は日本選手中最多となります。2004年のアテネオリンピック最終選考会では4位に終わり、現役を引退しました。その後、順天堂大学大学院に進学し、教育者としての道を歩み始めます。

現在、コーチングに集中しており、2007年には国際陸上競技連盟競歩委員会の委員に選出され、日本人として初めての快挙となりました。2008年には日本陸上競技連盟の競歩部長に就任し、後進の指導と競歩界の発展に尽力しています。

記録と遺産

今村文男の50km競歩の日本記録は後に谷井孝行選手と山崎勇喜選手によって更新されましたが、50000m競歩の記録保持者としての地位は保持しています。この競技は1991年3月17日の大会以降、日本では行われていませんが、彼の業績は競歩界において今もなお輝き続けています。

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