今津秀邦

今津秀邦氏は1968年に北海道旭川市に生まれました。

幼少期から写真の世界に親しみ、その才能は早くから開花します。特に高校在学中には、Kodak/CAPA誌が主催した全国高校生フォトコンテストでグランプリを獲得し、写真家としての第一歩を確かなものとしました。その後、日本映画学校で専門的に映像を学び、映画監督・撮影家としての道を歩み始めました。

映画監督・撮影家として、自然や生き物をテーマにしたドキュメンタリー作品を中心に手掛けています。監督と撮影を兼任した2017年のドキュメンタリー映画『生きとし生けるもの』は、特に代表的な作品として挙げられます。この映画では、生命の営みに対する鋭い観察眼と深い洞察力を示し、国内外で高い評価を得ました。この功績により、2017年には日本映画撮影監督協会JSC賞を受賞したほか、2018年には門真国際映画祭で大阪府知事賞、2019年にはインド・レイン国際自然映画祭でも評価されるなど、数々の権威ある賞を受賞しています。

また、短編映画の分野でも活動しており、知床の自然を描いた『知床の冒険』（2020年）や、テーマ性の高い『THE LIMIT』（2020年）で監督と撮影を担当しました。長編映画では、動物園を舞台にした『旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ』（2009年）で動物撮影を担当し、動物たちの魅力を引き出す映像を提供しています。さらに、人間ドラマを描いた『じんじん』（2013年）ではスチール撮影を務めるなど、多岐にわたるジャンルでその手腕を発揮しています。

テレビ番組の制作においても、共同での撮影を通して貢献しています。自然ドキュメンタリー番組として知られるテレビ朝日系列の『日本列島四季物語』、NHKの『ワイルドライフ』、TBS系列の『世界遺産』といった番組や、テレビ東京系列のドラマ『シロクマ園長命の事件簿』など、様々な番組で映像表現に携わりました。

写真家としての活動も継続しており、特に故郷の旭山動物園とは長年にわたる協力関係を築いています。2003年度以降、同動物園のポスターやパンフレットに使用される写真を継続的に提供し、その独特な魅力を伝える役割を担っています。今津氏の写真は国内外で広く認められており、『TIME』誌をはじめとする多くの国際的なメディアにも掲載された実績があります。

今津氏の作品全体を通じて共通するのは、自然やそこに生きるものたちへの深い敬意と愛情です。写真家としての観察眼と映像作家としての物語を紡ぐ力が融合し、観る者の心に強く響く作品を生み出しています。日本映画撮影監督協会の会員でもあり、今後のさらなる活躍が期待される映像・写真分野の第一人者と言えるでしょう。

主な受賞歴：

日本映画撮影監督協会JSC賞（2017年、『生きとし生けるもの』に対して）
インド・レイン国際自然映画祭（2019年、『生きとし生けるもの』に対して）
門真国際映画祭大阪府知事賞（2018年、『生きとし生けるもの』に対して）
Kodak/CAPA主催 全国高校生フォトコンテストグランプリ（1986年）

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