今野大力

今野大力（こんの だいりき）は、1904年2月5日に宮城県伊具郡丸森町で生まれ、1935年6月19日に31歳という若さで亡くなった日本の詩人です。幼少期に北海道旭川市に移り住み、小学校卒業後は新聞社給仕や旭川郵便局員として働きました。この頃から詩作を始め、1927年には小熊秀雄らとともに詩誌『円筒帽』を創刊しました。

その後、今野は上京し、『婦人戦旗』などの編集に携わります。1931年には日本プロレタリア文化連盟（コップ）の結成に参加し、『プロレタリア文学』などの雑誌に反戦詩を発表しました。しかし、1932年3月に駒込署に検挙され、その際の拷問が原因で入院、生死をさまようことになります。その後、一時回復したものの、1933年には日本共産党に入党し、病魔と闘いながらも創作活動を続けました。彼の作品は、社会変革への熱い思いと、病に苦しむ自身の内面を映し出しています。

今野は、作家の宮本百合子と親交が深く、百合子の小説『小祝の一家』は今野をモデルにしていると言われています。また、百合子が獄中体験を綴った『刻々』には、今野が実名で登場しています。これらの事実からも、二人の間には深い精神的な繋がりがあったことが伺えます。

今野の功績を称え、旭川市の常磐公園には詩碑が建てられています。毎年8月には、有志によって「大力祭」という顕彰会が行われ、彼の詩と生涯を偲んでいます。

今野の作品は、以下の作品集にまとめられています。

『今野大力・今村恒夫詩集』（新日本出版社、1973年）
『今野大力作品集』（新日本出版社、1995年）

また、彼に関する研究書も出版されており、その生涯と作品について深く知ることができます。

『詩人・今野大力』（佐藤喜一著、1972年、創映出版）
『小熊秀雄と今野大力』（金倉義慧著、2014年、高文研）

今野大力は、短い生涯の中で、多くの詩と、社会変革への強い意志を残しました。彼の作品は、時代を超えて、私たちに深い感動と勇気を与えてくれます。

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