今際の路のアリス

今際の路のアリス

『今際の路のアリス』は、原作・麻生羽呂、作画・黒田高祥による漫画作品であり、2015年から2018年まで『月刊サンデーGX』に連載されました。本作は前作『今際の国のアリス』のスピンオフ作品として、再び新たな冒険と試練が描かれています。

あらすじ

物語は、強制参加の「クソゲー」と感じる女子高生・佐野紀奈（キーナ）が、見知らぬ野原で目を覚ますところから始まります。彼女は手に『♣Q』のトランプカードを握りしめていますが、何も思い出せません。彷徨い歩いている間に、荒廃した京都にいることに気づきます。そこで彼女は、同じく記憶を失った女子高生・小島亜里朱（アリス）に出会います。アリスも『♥Q』のカードを所持しており、二人は次第に状況を理解し始めることになります。

日暮れ時に現れる花火を追って、二人は五条大橋に向かうと、9人の男女が待ち受けています。全員が記憶を失い、異なるトランプの絵札を手にしています。ここから、新たに『今際の国』と呼ばれる異世界での壮大な冒険が幕を開けることになります。

主な登場人物

物語を彩るキャラクターたちは様々な背景を持っています。

• - 小島亜里朱（アリス）: 高校のソフトボール部員で、トランプの『♥Q』を持っています。事件の影響で今際の国に参加し、仲間のために戦う決意をします。
• - 弥刀邦松（ミト）: 大学生で、初めて所持したトランプは『♥J』。SNSでの失敗から除籍処分を受けた過去を持ちますが、仲間とともに戦う中で自らを見つめ直すことになります。
• - 久喜杜男（クキ）: 管理職でトランプは『♣J』。かつては国体選手でしたが、徐々に悪化していく状況に翻弄され、自身の欲望に従った行動を取るようになります。
• - 安食柊（アジキ）: 極道の組員でトランプは『♠J』。暴力的で好戦的な性格ですが、物語が進むにつれ、意外な一面も見せることになります。
• - 佐野紀奈（キーナ）: 物語の重要な中心人物で、彼女の過去が徐々に明らかになることで物語が展開します。最初に『♣Q』のトランプを持ち、彼女の行動が他のキャラクターにも大きな影響を与えています。

キーとなるテーマ

本作には、記憶とアイデンティティ、サバイバル、友情、そして死という重いテーマが漂っています。各キャラクターは自らの過去と向き合い、成長し、時には絶望的な選択を迫られることになります。具体的には、仲間との絆を深めながら、彼らが命を賭けてこの異世界を生き抜く姿が描かれます。物語の中では、裏切りや友情、犠牲といった要素が複雑に織り交ぜられています。

書誌情報

『今際の路のアリス』は全8巻が発売されており、今際の国の新たな物語を独自の視点で楽しむことができます。特にキャラクター間の関係や彼らの過去が明らかになっていく様子は、読者の心をつかんで離しません。

そのストーリー展開やキャラクターの成長は、ただのサバイバル物語を超えた深いものがあります。これからの『今際の国』がどのように展開し、キャラクターたちがどんな結末を辿るのか、読者の期待を裏切らない作品です。

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