介護支援ボランティア制度
介護支援ボランティア制度
介護支援ボランティア制度は、厚生労働省が認可した有償ボランティア制度で、2007年9月から運用が開始されました。この制度は、高齢者（原則65歳以上）が地域で行う介護支援ボランティア活動に対して、換金可能なポイントを付与する仕組みです。このポイントは、介護保険料の軽減に利用できるため、実質的な保険料の負担を減らすことができます。
制度の概要
この制度は、介護保険法の規定に基づいており、地域支援事業交付金を財源としています。各自治体が介護予防事業の一環として運営し、ボランティアの登録やポイントの管理・付与は、地域の社会福祉協議会などが担当しています。
読売新聞の記事では、この制度の背景には、介護予防効果への期待だけでなく、地域社会の活性化や住民同士のつながりの強化を通じて、高齢社会を乗り切るための地域づくりを目指す意図があると解説されています。
稲城市の取り組み
この制度を最初に導入したのは、東京都稲城市です。稲城市は当初、千代田区と共同で介護保険料を直接減額する制度を提案しましたが、「ボランティア活動に対価を支払うのは制度の趣旨に合わない」「保険料は所得に応じて決めるべき」といった意見が出たため、ポイント制に切り替えました。そして、2007年9月1日に「稲城市介護支援ボランティア制度」を開始しました。
厚生労働省の資料によれば、稲城市ではこの制度によって、高齢者の保険料が月額で約11.1円程度の抑制効果があったとされています（2008年度ベース）。
制度の普及と名称
制度導入当初は、稲城市と千代田区の2自治体のみでしたが、年々導入する自治体が増加し、2010年には登録者数が1万人を超えるまでになりました。
この制度の通称は自治体によって異なり、東京都千代田区では「介護保険サポーター・ポイント制度」、足立区では「元気応援ポイント事業」、豊島区では「高齢者元気あとおし事業」、神奈川県相模原市では「さがみはら・ふれあいハートポイント事業」など、様々な名称が使われています。
関連情報
- - 介護: 高齢者や障害者の日常生活を支援するサービス全般。
- - 介護保険: 介護が必要になった場合にサービスを利用できる公的保険制度。
- - 有償ボランティア: 無償のボランティア活動に対して、交通費や食事代などの実費弁償を行う制度。
外部リンク
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。