仏徳寺 (土岐市)

岐阜県土岐市曽木町に位置する佛徳寺は、曹洞宗の寺院であり、瑞光山という山号を持っています。この寺院の歴史は、17世紀末から18世紀初頭に遡ります。当初、恵那郡馬場山田村の盛久寺七世である雲原岩亮によって、平山に瑠璃光山林泉寺として開山されました。その後、槇平へと移され、瑞光山佛徳寺と改称されました。

しかし、明治35年（1902年）7月に火災が発生し、寺の古記録が焼失したため、それ以前の詳しい歴史は不明となっています。その後、明治44年（1911年）には、十四世の英山禅雄が寺域を現在の中切の地に移し、大正4年（1915年）には現在の伽藍が再建され、入仏式が執り行われました。

佛徳寺の境内には、門柱に「瑞光禅林仏徳精舎」と刻まれており、その傍らには石造りの地蔵尊と三界萬霊塔の板碑が安置されています。山門には、四脚の鐘楼門が構えられ、その横には薬師堂があります。薬師堂に祀られている薬師如来像は、座高が約1メートルで、台座はありません。この薬師如来像は、瑠璃光山林泉寺から伝えられたもので、中部四十九薬師霊場の二十八番札所の本尊として、多くの信仰を集めています。

佛徳寺は、その長い歴史の中で幾度かの変遷を経て、現在の姿に至っています。火災による記録の焼失など、困難な時期もありましたが、地域の人々の信仰に支えられ、今もなおその存在を輝かせています。また、中部四十九薬師霊場の札所としての役割も担い、多くの参拝者が訪れる寺院となっています。

参考文献としては、『土岐市史 2 (江戸時代～幕末)』、『中部四十九薬師巡礼』、『山岡町史　通史編』などが挙げられます。
これらの文献には、佛徳寺の歴史や信仰に関する詳細な情報が記録されており、寺院の歴史をより深く理解するための手がかりとなります。

もう一度検索