令和4年の大雪

令和4年大雪：記録的な雪害と日本列島への影響

2021年12月下旬から2022年3月上旬にかけて、南西諸島を除く日本列島全域で、記録的な大雪に見舞われました。この期間、日本海寒帯気団収束帯（JPCZ、線状降雪帯）の活動が活発化し、断続的に大雪をもたらしました。特に西日本と北日本では、観測史上最大となる積雪や、長期間にわたる大雪による深刻な被害が発生しました。

気象状況

2021年12月:

12月25日～28日にかけて、JPCZの影響で西日本を中心に大雪。滋賀県彦根市では24時間降雪量が観測史上最多の68cmを記録しました。名神高速道路や北陸自動車道など、多くの道路が通行止めとなり、大規模な立ち往生が発生しました。北日本でも大雪となり、青森市では12月としては37年ぶりの1m超の積雪を観測しました。
12月31日、強い冬型の気圧配置により北日本から西日本の日本海側を中心に大雪。長野県野沢温泉村では24時間降雪量が89cmに達しました。

2022年1月:

1月6日、関東・東海地方で大雪。東京都と千葉県全域に大雪警報が発令されるのは、2018年以来4年ぶりでした。東京都心でも10cmの積雪を観測し、交通機関に大きな影響が出ました。
1月11日～14日、北日本で大雪と暴風雪。北海道稚内市では最大瞬間風速33mを記録し、孤立状態に陥る地域もありました。JR北海道では、6日間で約2600本の列車が運休しました。

2022年2月:

2月4日～10日、札幌市では1990年以降最多となる5日間の降雪量を記録。JR北海道の列車が立ち往生し、札幌駅発着の列車は数日間運休しました。滋賀県や岐阜県でもJPCZの影響で大雪となり、観測史上最大の積雪を記録しました。
2月9日、南岸低気圧の影響で関東・東海地方を中心に大雪。山梨県、神奈川県、埼玉県などで10～20cmの積雪を観測しました。
2月16日～24日、北陸地方を中心に大雪。新潟県津南町では最大積雪412cmを記録しました。北海道でも大雪と暴風雪となり、新千歳空港では123cmの積雪を観測しました。交通網は麻痺し、航空便や鉄道は多数が運休となりました。

2022年3月:

3月6日～7日、爆弾低気圧の影響で北海道から北陸地方にかけて大雪と暴風雪。

要因

この大雪の要因として、寒帯ジェット気流の蛇行、ラニーニャ現象、北極付近の極渦の南下などが挙げられます。また、日本海側の海水温の上昇も爆弾低気圧や極低気圧の発生を促したと考えられています。

被害

総務省消防庁によると、2021年11月1日から2022年3月31日までの期間で、死者97名、負傷者1594名、住家被害多数などの甚大な被害が発生しました。

まとめ

令和4年大雪は、JPCZの活発化や気象条件の複雑な相互作用によって引き起こされた、日本列島全域に影響を及ぼした記録的な雪害でした。各地で観測史上最大級の積雪や暴風雪が観測され、交通網の麻痺、経済活動への打撃、そして多くの人的被害をもたらしました。この大雪は、日本の防災対策や気象予測の精度向上のための重要な教訓となりました。今後の大規模な雪害への備えとして、インフラ整備の強化、情報伝達の改善、そして住民の防災意識の高まりが求められます。 また、気候変動との関連性についても、更なる研究と対策が必要です。

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