令和4年台風第22号

令和4年台風第22号「ナルガエ」について

令和4年台風第22号は、2022年10月27日、フィリピンの東の海域で発生しました。これにより、フィリピン全土へ広がる影響が懸念され、10月29日にはカタンドゥアネス州に上陸を果たしました。台風のアジア名「ナルガエ」は、この台風限りで使用中止となることが決定されています。

経過

2022年10月26日の午前9時、気象庁は日本の南方の海上で熱帯低気圧が形成されたことを発表しました。この熱帯低気圧は24時間以内に台風に発達する可能性があるとの見解も示されました。

その後10月27日の午前9時には、気象庁からこの熱帯低気圧が台風として発達したとの確認がありました。そして、10月28日頃には、強風域が広がり、大型の台風へと成長しました。10月29日には、中心気圧985hPa、最大風速25m/sでフィリピンに上陸しました。

台風の南東部から延びる雲は、ベトナム南部にも影響を及ぼし、ロンアン省では大雨が観測されました。また、ミンダナオ島のマギンダナオ州では洪水、土砂崩れ、鉄砲水が発生し、多くの人々が被害に遭いました。フィリピン政府の災害対策当局によると、台風の影響で98人が亡くなり、63人が行方不明となっています。

11月1日には、台風の暴風域が徐々に縮小し、翌日にはその暴風域が消失しました。その後、11月3日の午前9時には、南シナ海で熱帯低気圧に降格しました。最終的にフィリピンにおける死者数は101人、行方不明者は66人に増加しました。

影響

フィリピン

フィリピンでは、気象庁PAGASAがビコル地方と東ビサヤに対し、最初はシグナル1の警告を発令、その後シグナル2に変更しました。また、カラガ地方や中央ビサヤなどにも追加で警報が発出されました。台風の影響で、10月28日から29日には100便以上のフライトがキャンセルされ、多くの旅行者に影響を及ぼしました。

香港

台風は11月2日にも香港に接近し、香港天文台は強風警報を発令しましたが、11月4日にはその警報が解除されました。香港では死者は出なかったものの、1名の女性が負傷し入院する事態となりました。

被害の大きさ

台風による影響が続く中、フィリピンでは土砂崩れや洪水によって101名が死亡し、行方不明者は66名に上るなど、その被害は甚大でした。政府は、11月2日に大統領布告第84号を発令し、カラバルソン、ビコル、西ビサヤ、バンサモロ地域に対し災害状態を宣言しました。

この度の台風「ナルガエ」は、その静かなる力で多くの人々の生活を脅かす結果となりました。これに対し、現地の復旧活動が急がれています。

もう一度検索