仮運転免許

仮運転免許制度の概要

日本の運転免許取得において、路上での運転練習を可能にするのが仮運転免許です。一般的に「仮免許」や「仮免」と呼ばれ、本免許取得前の段階として位置づけられています。本免許取得を目指す者は、必ず仮免許を取得し、路上練習を経て本免許試験に臨む必要があります。

仮運転免許の種類と有効期間

仮運転免許には、普通、準中型、中型、大型の4種類があります。いずれも、適性検査を受けた日から6ヶ月間の有効期限となっており、更新はできません。6ヶ月以上練習が必要な場合は、再度取得する必要があります。ただし、本免許試験に合格すると、仮免許は失効します。

仮運転免許の取得方法

仮運転免許は、各都道府県の公安委員会が管轄する運転免許試験場、または指定自動車教習所で取得できます。試験場は、適性検査、学科試験、技能試験に合格する必要があります。一方、指定自動車教習所では、技能教習と学科教習を受け、教習所内のコースで実施される修了検定に合格後、学科試験を受験します。合格すると、教習所から仮免許が交付されます。

路上練習のルール

仮運転免許取得者は、公道での路上練習が許可されますが、送迎などの行為は禁止されています。違反した場合は、仮免許取り消しや本免許受験不可などのペナルティが科せられます。路上練習には、以下の条件を満たす必要があります。

運転可能な自動車を運転できる第一種運転免許を所持し、運転経験が3年以上ある者、または第二種運転免許を所持する者、もしくは公安委員会指定自動車教習所の教習指導員を指導者として助手席に乗車させること。
車両前後に「仮免許練習中」の標識を掲示すること。
高速道路、自動車専用道路、混雑している道路は走行できない。

ただし、指定自動車教習所では、「高速教程」として、指導員同乗の下、高速道路での練習も認められています。

同乗指導者の条件

同乗指導者には、以下の条件を満たす必要があります。

練習する自動車を運転できる第一種運転免許を3年以上所持していること（免許停止期間を除く）
第二種運転免許を所持していること
公安委員会指定自動車教習所の教習指導員資格を有していること（技能教習に従事する場合のみ）

年齢制限は特にありませんが、21歳以上であることが暗黙の了解となっています。また、免許停止処分を受けている者は同乗指導者になることができません。限定免許所持者は、その車種での指導に限られます。

「仮免許練習中」標識

「仮免許練習中」標識は、縦17cm×横30cmの白地黒文字で、「仮免許」「練習中」と表記されたものが一般的です。車両前後の見やすい位置に掲示する必要があります。厳密な規格はありませんが、教習所や運転免許試験場で購入できます。

中型・大型・準中型仮免許

2007年の制度変更以降、中型・大型自動車免許を取得するには、それぞれ中型・大型仮免許の取得が必須となりました。路上試験が導入されたためです。また、2017年の準中型自動車免許制度導入に伴い、準中型免許取得にも準中型仮免許の取得が必要になりました。

その他

路上練習中や他の免許での事故・違反は、本免許の発行に影響する可能性があります。仮運転免許では、原動機付自転車や小型特殊自動車を運転することはできません。

まとめ

仮運転免許は、安全な運転技術習得と本免許取得のための重要なステップです。制度を理解し、安全運転を心がけて練習に取り組むことが重要です。

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