仮面ライダーアマゾン (漫画)

仮面ライダーアマゾン

『仮面ライダーアマゾン』は、漫画家・石森章太郎による特撮テレビドラマと連動した作品で、1974年11月から1975年3月まで『テレビマガジン』（講談社）に連載されていました。この作品は、主人公アマゾンが南米のアマゾンで育てられ、特殊な改造手術を受けて仮面ライダーに変身する過程を描いています。

登場人物

アマゾン

主人公であるアマゾンは、赤子の頃に南米アマゾンで両親を失い、現地の原人に育てられた青年です。特撮版とは異なり本作では彼の日本人名は不明とされていますが、予告カットには「リュウ」という名が記されています。アマゾンは、体の細胞が怒りに応じて震え、仮面ライダーのような超人的な身体能力を獲得します。バゴーによって与えられた使命は、ギギの腕輪を守ることです。この腕輪には、マヤ・インカの秘宝の隠し場所が記されており、アマゾンはそのために日本に密航してきます。

普段は感情をあまり表に出さないが、優れた運動神経の持ち主で、バイクにもすぐに乗りこなす才能があります。変身した際には、獣のような嗅覚を駆使して敵の位置を察知し、部分的に身体を変化させる能力も持ちます。

バゴー

バゴーは、南米アマゾンで古代マヤ・インカの秘宝を守る部族の長老とされ、アマゾンに使命を託します。アマゾンの改造手術を行ったのは彼であり、秘宝を守るためにアマゾンを強化したものの、後に十面鬼の襲撃によって亡くなったと考えられています。

高坂マサヒコ

高坂マサヒコは、アマゾンと友情を築く少年で、テレビドラマ版の岡村まさひこと同様の役割を果たします。アマゾンのことを「仮面ライダーみたい」と形容した彼は、物語の中でアマゾンと強い絆で結ばれます。彼は偶然にもアマゾンが探し続けていた高坂博士の甥です。

高坂美奈と高坂博士

高坂美奈はマサヒコの姉で、アマゾンに対して警戒心を抱くことなく、彼にお手製の上着を贈る優しさを持っています。一方、高坂博士は原人に関する研究のために南米を訪れ、バゴーと会った際にアマゾンの記憶を探るための機械を開発しますが、彼もまた十面鬼によって殺されてしまいます。

敵キャラクター

十面鬼ゴルゴス

十面鬼ゴルゴスは、最終回まで登場する主要な敵キャラクターです。能力は不明ですが、古代の超科学を利用した兵器を求め、世界征服をたくらんでいます。彼は人面岩に埋まった異形の存在であり、自身の改造史も曖昧です。

ゼロ大帝

ゼロ大帝は、物語の終盤に登場するガランダー帝国の指導者と名乗りますが、彼の存在や敵組織の詳細は明らかにされていません。彼の登場は物語に新たな緊張感をもたらします。

連載と単行本

『仮面ライダーアマゾン』は全5話から成り、連載期間中には全7ページのカラー予告編も発表されました。その後、2001年に『仮面ライダーEX』として単行本が出版され、2012年にはより流通的に文庫化されました。また、2016年には『仮面ライダーアマゾン1974 ［完全版］』が復刊され、初期の形での完全復刻が行われています。

この作品は、石森章太郎が自身で手がけた漫画として、特撮テレビドラマとは一味違った魅力を持つ作品です。

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