仮面ライダースナック

仮面ライダースナックの歴史と人気

仮面ライダースナック（かめんライダースナック）は、1971年から1973年1月までカルビーによって販売されたスナック菓子です。このスナックは、特撮テレビドラマ『仮面ライダー』に関連し、その人気が「変身ブーム」として日本中に広がりました。それに伴い、スナックには「ライダーカード」と呼ばれるカードが付属しており、この付属物がさらなる人気を呼び起こしました。

製品概要

仮面ライダースナックは、初値20円で東京地区から販売がスタートしました。1972年には広島や名古屋、さらに全国へと販売地域を広げました。主原料は小麦粉で、独特な甘い生姜風味のコーティングが施された焼き菓子の形状をしています。パッケージやCMには「かっぱえびせんの姉妹品」との表記がありましたが、中身が一時的にかっぱえびせんに変更された地域もありました。

仮面ライダースナックの人気の背景には、同番組のスポンサーであったカルビーの意図と、創業者の松尾孝が東映の岡田茂に推薦されたことが関係しています。最終的に、仮面ライダースナックは15か月で6億2000万袋の売上を誇り、当時の男子児童の平均購入数は85袋にもなりました。これを金額に換算すると約87億円の売上に相当します。

ライダーカードの魅力

仮面ライダースナックに封入されていたライダーカードは、1袋に1枚が付属していましたが、実際には50袋ごとのダンボール箱に54〜55枚が同梱される形で流通していました。カードの表面には仮面ライダーや怪人の絵が描かれ、裏面にはそのキャラクターに関する情報が掲載されていました。この情報はテレビ本編ではあまり触れられないものであり、子供たちにとっては手軽に知識を得られるものとして大いに人気を博しました。

全546枚に及ぶカードの中には、番号が同じでも異なる絵柄を持つものもあり、収集の楽しみも加わりました。加えて、子供たちの間ではブロマイドが流行していたため、スナック菓子とカードの組み合わせはヒット商品となったのです。

社会現象とその影響

しかし、仮面ライダースナックの人気が高まる一方、スナックを購入した子供たちがカードだけを抜き取って残りを捨ててしまう現象が発生しました。この現象は「ライダースナック投棄事件」として社会問題にもなり、カルビーは「お菓子は残さず食べよう」と促す文言をパッケージに印刷するなどの対策を講じました。漫画『ちびまる子ちゃん』にもこの現象をテーマにしたエピソードが描かれています。

仮面ライダーV3スナックとその後

1973年には新たに『仮面ライダーV3』との連動で「カルビースナック 仮面ライダーV3」が発売されました。この新製品はカードを付けたスナックでしたが、やや売上が低迷し、約5ヶ月後には販売を終了しました。その後、プロ野球チップスやマジンガーZスナックなどにバトンタッチされました。

復刻と新たな展開

仮面ライダースナックの復刻版も登場しました。1999年には「復刻仮面ライダーチップス」として新たなカード付きスナックが販売され、2006年には更に進化した商品「仮面ライダーチップスR」が展開され、最大規模となる999枚のカードが付属しました。

そして、2023年には『シン・仮面ライダー』と題した映画公開に合わせたタイアップ商品も続々と発売され、現代においてもその魅力が受け継がれています。

仮面ライダースナックは、単なるお菓子以上の文化現象を生み出し、日本の子供たちに夢と感動を与えた歴史ある製品となっています。

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