仮面ライダーV3対デストロン怪人

概要

『仮面ライダーV3対デストロン怪人』は、1973年7月18日に公開された東映の中編映画で、当時流行していた「変身ブーム」の一環として製作されました。約32分の上映時間を持ち、カラー、シネスコで制作されたこの作品は、仮面ライダーシリーズの一部にあたります。脚本は伊上勝が手掛け、主題歌は宮内洋が歌う『斗え! 仮面ライダーV3』が特徴です。

本作は、同年3月に上映された「東映まんがまつり」の春興行で放送されたテレビシリーズのエピソードを基にしており、これが劇場用の完全オリジナル作品としては初めての試みでした。また、他のアニメ映画と同時上映され、その中で仮面ライダーV3とともに登場するキャラクターたちの物語が描かれました。

公開時のキャッチコピーは「ついにきた全面戦争のとき ゆけ！ 戦え！ 三人の仮面ライダー」で、シリーズのファンを魅了しました。この映画では、テレビシリーズで退場した仮面ライダー1号・2号が特別に再登場しますが、彼らは素顔の描写ではなく、声を担当する形での出演です。

あらすじ

物語は、原子物理学者の沖田徹夫博士が幻の元素「サタンニウム」を発見するところから始まります。この元素は、従来のウラニウムよりも数百倍の放射能を持つ特異な鉱石であり、悪用されることを懸念した沖田は、サンプルを海に沈める決断をします。しかし、この鉱石の存在を知ったデストロンは、沖田を拉致し、彼の研究を手に入れようとします。

沖田の失踪を受けて、仮面ライダーV3こと風見志郎と彼の仲間、立花藤兵衛らは、彼を救出するため、勝浦沖にあるデストロンの拠点へ向かいます。しかし、沖田は怪人タイホウバッファローの手によって命を落としてしまいます。

その後、志郎たちはデストロンの拠点を突き止め、四国へと向かいます。彼らは地元の仲間たちと共に、デストロンに立ち向かい、また海外で戦っていた仮面ライダー1号と2号が加勢し、壮大な戦闘が繰り広げられます。特にタイホウバッファローとの戦闘では、3人のライダーが力を合わせて挑み、彼との壮絶な戦闘がテレビの枠を超えて展開されます。

登場キャラクター

本作では新たに登場する怪人、タイホウバッファローが目立つ存在です。彼はバッファローと砲台が融合した機械怪人で、大砲を肩に配置し、豪快な性格を持つ一方で冷静さも兼ね備えています。自身の突進攻撃や砲撃を駆使し、ライダーたちに挑む姿が見どころです。この他にも、ドクバリグモやギロチンザウルスなどが登場し、物語に緊張感を与えます。

映画は美術や特殊効果にも力を入れており、日本の名所を舞台にした実際のロケ地を設定したことによって、リアリティと迫力を増しています。撮影は四国を中心に行われ、恵まれた自然の中で迫力あるアクションシーンが展開されました。

この映画は、仮面ライダーシリーズのファンにとっては重要な作品であり、多くの人々に愛され続けてる名作です。多彩なキャストと緻密なストーリー展開で、仮面ライダーV3と彼の仲間たちの戦いを描いたこの作品は、一見の価値があるでしょう。

もう一度検索